【RPE】★英BBC、ナチスと中共は同じ

 

ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)

ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)

 

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


先日亡くなられた劉暁波さん。

中国を代表する人権活動家でノーベル平和賞受賞者でした。

(●その生涯を知りたい方はこちら。

http://www.mag2.com/p/news/257347  )


08年、中国の民主化を求める「零八憲章」を起草して逮捕
された。

罪状は、「国家転覆扇動罪」。

10年、ノーベル平和賞受賞。


以後も、ずっと獄中にありました。

17年5月末、「末期の肝臓ガン」と診断された。

そして、7月13日に亡くなりました。


劉さんと彼の考えを支持している人は、山ほどいます

しかし、「劉さんの扱いのひどさについて」、たとえば習近
平を批判する国家指導者はいません。

皆、中国を恐れているか、チャイナマネーがほしいか、どち
らかなのでしょう。

私たちは、「中国は共産党一党独裁国家。全世界が中国を
嫌っている」と考えがちです。

しかし、残念ながらその認識は、かなり世界とズレています。

たとえば、アメリカでは、「独裁者」といえば、プーチン
ことを指します。

中国と違い、ロシアには、(一応)大統領選挙も、議会選挙
もあるのですが・・・。


安倍さんも、トランプさんも、メイさんも、マクロンさんも、
メルケルさんも、

誰も劉さんのことで、習近平を批判していません。


しかし、イギリスBBCは、なんと「ナチスドイツ」と今の

中共を比較しながら「そっくりだ!」という論を展開してい
ます。


BBCニュース、7月14日、

劉暁波氏──中国が消せなかった人>

筆者=キャリー・グレイシー中国編集長

を読んでみましょう。

 

▼劉さんに負けた習近平

 

グレイシーさんは、

「中国の指導者たちは、劉さんを恐れている」としています。

 

<「私は罪となるようなことを何もしていないが、しかし不満
はない」。

劉暁波氏は2009年、法廷でこのように表明した。

そしてそれから刑務所で過ごした長い8年の間、民主主義への
思いを決して撤回しなかった。

中国の指導者たちは、生きる劉氏を恐れたと同じくらい、死し
てなお、劉氏を恐れている。

無理もないことだ。>

 

<死してなお、劉氏を恐れている。>


そうです。

なぜ?

まず、グレイシーさんは、中国共産党の現状を書いています。

 

中国共産党はかつては、信念の政党だった。

党のために殉教する覚悟の同志は大勢いた。

しかし権力を握ってから70年近くたった今の中国共産党は、
硬直的でシニカルな権力者だ。

憲法上の権利を求める人を投獄し、

投獄した人たちについて国内で話題にすることさえ禁じ、

経済力を対外的に駆使して外国政府に沈黙を強いる。

習近平国家主席の下、中国はこうした抑圧を熱心に推進し、
成功を収めてきた。>

 

なんか、中国共産党は、今も昔も「変わらず人権を抑圧し
てきた」と思うのですが・・・。

それでも、グレイシーさんが中国の現状を正しく認識して
いるのは、喜ばしいことです。


習近平は「成功を収めてきた」そうです。

日本では、「習近平はバカだ!」「習近平はこんな失敗し
た!」

といった話が好まれます。

しかし、残念ながら、習近平はうまくやっています。

最近の実績をあげれば、


・トランプを懐柔した

・グローバリストたちと和解した

・トランプとプーチンの和解を阻止した


ことなどが挙げられるでしょう。

しかし、劉さんについて、グレイシーさんは、


<そのなかにあって、劉暁波氏は例外的な、中国にとっての敗
北だった。>


としています。

なぜ?

 

▼現代中国とナチスドイツは同じ

 

<劉氏が2010年のノーベル平和賞を受賞したことから、中
国政府にとっての問題は始まった。平和賞受賞によって劉
氏はただちに、信念のために投獄された世界的著名人の仲
間入りをした。

ネルソン・マンデラ氏、アウンサンスーチー氏、カール・
フォン・オシエツキー氏といった人たちと、肩を並べるよ
うになったのだ。>

 

劉さんは、ノーベル平和賞を受賞して、「世界の偉人」の
仲間入りをしたのですね。

そう考えると、ノーベル平和賞受賞は、意味があったので
しょう。

グレイシーさんはここで、劉さんとナチスドイツ時代の偉
人オシエツキーさんを比較します。

 

<カール・フォン・オシエツキーを知らない人もいるだろ
うが、中国政府にとっては特に居心地の悪い比較対象だ。

フォン・オシエツキーは1935年、ナチス・ドイツの強制収
容所にいながらにしてノーベル平和賞を受賞した平和主義
者だった。

アドルフ・ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出席
するのを許さなかった。>

 

オシエツキーさんは、獄中でノーベル平和賞を受賞した。

ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出るのを許さな
かった。

劉さんは、どうでしょう?

 

ノーベル平和賞に選ばれた時、劉氏は国家政権転覆扇動の罪
で服役中だった。

中国政府は、妻が代理として式典に出席することを認めず、そ
れどころか劉霞氏を自宅軟禁にした。

オスロで開かれた2010年の平和賞授賞式で、劉氏の代わりに壇
上に上がったのは、空の椅子だった。

そしてそれを機に、21世紀の中国と1930年代のドイツが比較さ
れるようになったのだ。>

 

中国政府の劉さんに対する扱いは、ナチスドイツとまったく同
じですね。

しかし、


<21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになった
のだ。>


というのは、「え?そうなんですか?」という感じです。


「今の中国は、20世紀はじめのドイツに似ている」という話は
よく聞きます。

しかし、「今の中国は、ナチスドイツと似ている」という話は
あまり聞きません。

いえ、私たち庶民の間では、そんな話もあるかもしれませんが。

上の人たちがそんな発言をしていること、聞いたことがありま
せん。

 

▼中国人は、劉さんをしらない!?

 

ところで、ここに驚くべき事実があります。

世界的偉人・劉暁波さんのこと、中国人はほとんど知らない
のです。

 

<劉氏は国際舞台で中国に恥をかかせたわけだが、本国でそ
の名を知る中国人は少ない。

がん治療のため国外に移ることが可能かをめぐり、中国の病
院の言い分に外国人医師たちが反論したことも、

香港では釈放を求めて徹夜の集会が行われていたことも、

中国国内では徹底した検閲体制のために国民はほとんど何も
知らされていなかった。

自分たちの国で、ノーベル平和賞受賞者が死につつあったと
いうのに。>

 

おそろしいことですね。

こんな国が、GDPと軍事費で世界2位なのです。

 

<選択的記憶喪失は中国の国家政策だ。

そして劉氏の投獄から死亡に至るまで、政府は彼の記憶を消し去
ろうと一生懸命だった。

家族や友人たちがなかなか面会できないように、自宅から約600
キロ離れた刑務所に収容した。

妻の劉霞さんが置かれた自宅軟禁はあまりにも抑圧的で、彼女は
次第に体と健康を害されていった。

ノルウェーに対する中国の懲罰行動は苛烈で、今やノルウェー
府は中国の人権状況や劉氏のノーベル賞について言及を避けるほ
どだ。>

 

徹底していますね。

 

▼結局、劉さんが勝つ

 

しかし、グレイシーさんは、「結局勝つのは、劉さんだ」と考え
ています。

 

<しかし存命中と同様に死してなお、劉氏は消し去られたりしな
い。>

劉暁波氏の苦しみは終わった。

座る者のいない空の椅子と同様、空になった病床の映像が、これ
からの中国を怯えさせる。

そして中国政府はこれからも、劉氏の後に続く人たちを脅し、迫
害し、懲罰を与え続けるだろうが、

このノーベル平和賞受賞者の記憶を消し去ることはできない。

81年前のナチス・ドイツが、自らの恥を決して消すことができな
かったのと同じように。>

 

キャリー・グレイシーさん、立派です。

世界的に影響力のあるBBC

これからも、中国の現状を、正しく伝えていただきたいと思い
ます。


ちなみに、オシエツキーさんは、1938年に亡くなりました。

ナチス・ドイツが滅びたのは、その7年後でした。


ノーベル平和賞受賞者・アンドレイ・サハロフ博士は、1989
年に亡くなりました。

ソ連が崩壊したのは、その2年後です。


劉さんは、2017年に亡くなりました。

中国の共産党一党独裁体制は、何年後になくなるのでしょう
か???????