フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

★日本と中国、「適切な距離」の測り方

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


2012年の「尖閣国有化」以降、最悪になっていた日中関係

少しよくなってきたようです。

親中派」の代表、二階さんは5月16日、習近平と会談しま
した。

結果は?

 

<二階幹事長、中国の習国家主席と会談 安倍首相親書、首脳
の相互訪問呼び掛け

産経新聞 5/16(火) 13:10配信

 【北京=石鍋圭】自民党二階俊博幹事長は16日午前、北
京で習近平国家主席と会談した。

習氏は「両国が歩み寄って関係を正しい方向に発展させたい」
と述べ、日中関係の改善に意欲を示した。

二階氏は安倍晋三首相の親書を手渡した。首相は親書で「適切
な時期」に両国首脳の相互訪問を実現したいとの考えを伝えた。

 

習近平が、

「両国が歩み寄って関係を正しい方向に発展させたい」

といったそうです。


これを聞いて、読者の皆さんの多くは、「またウソいってる」
という反応かもしれません。

二階さんについては、「やめてくれ!」と思うかもしれません。


特にRPE読者の皆さんは、中国の「反日統一共同戦線戦略」
を暗記していることでしょう。

その骨子は、

1、中国、ロシア、韓国で、【反日統一共同戦線】をつくる。

2、中国、ロシア、韓国は、日本の領土要求を断念させる。

断念させる領土とは、北方4島、竹島尖閣・【沖縄】であ
る。

(●中国によると、日本に【沖縄】の領有権はない!!!)

3、「反日統一共同戦線」には、【アメリカ】を引き入れな
ければならない。

(●絶対必読、完全証拠はこちら。↓
https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/ )


これを知ったら、「習近平、またウソいってる」「二階さんやめ
て!」という反応になるのは、当然かもしれません。

しかし・・・・。

 

日中関係は、米中関係に比例していなければならない

 

トランプは、「反中大統領」として登場しました。

しかし、就任わずか4カ月で、ずいぶん懐柔されてしまったよう
です。

なぜ?

まず、中国が必死の「懐柔工作」を行っている。

(●「トランプ懐柔工作」の詳細を知りたい方は、こちら。

http://diamond.jp/articles/-/120416 )


そして、トランプは、「北朝鮮問題」で中国と協力せざる得ない。

北朝鮮を生かすも殺すも、中国次第なのですから。


この二つの理由で、トランプは、「私は習近平が大好きだ!」と
公言するまでになっています。


一言でいうと、「米中関係が好転している」。

こういう状況下で、日本が「強固な中国包囲網を築かなければな
らない!」と主張し、突っ走れば、孤立します。

アメリカは、「好きにやって!」と、梯子を外すかもしれない。


だから日本は、米中関係が悪いときは、日中関係もそれなりに悪
く、

米中関係が良くなってきたら、日中関係もそれなりに良くしてい
く必要があるのです。


現在、米中関係が良くなってきている。

だから、日中関係がそれに比例してよくなっていくのは、正しい
方向です。

 

▼大切なのは、「優先順位」

 

では、日中関係は、どのくらいよくなるべきなのでしょうか?

大切なのは、「優先順位」をはっきりと知っておくことです。

なんの優先順位???

つまり、日米、日中関係の重要度は常に、


日米関係 >>> 日中関係


である。

つまり日本にとっては、軍事同盟国アメリカとの関係が、

中国との関係より「優先される」ということです。

将来どうなるかわかりませんが、現時点ではそういうことです。


「そんなことは、当たり前だろ!」


こういう反応の人が多いでしょう。

しかし私たちは、日中関係 >>> 日米関係 になった例を
あげることができます。

 

▼アメリカを出し抜いた田中角栄

 

1960年代末、ニクソン大統領は、ソ連に対抗するために、
中国と和解することにしました。

1972年、ニクソンは、中国を訪問。

「台湾に関する5原則」を提示し、台湾を事実上見捨てます。

このニクソン訪中で、米中関係は、どうなったのでしょうか?

キッシンジャー大統領補佐官が、「回顧録」でこう書いてい
ます。

 

<事実上の同盟関係への移行を意味した。

当初はアジアに限定されていたが、その取り組みは一年後には
拡大して、残りの世界も包含された。

中国と米国の協議は、正式な同盟国の間でもまれな濃密なレベ
ルに達した。>(キッシンジャー回顧録 中国 上295p)

 

どうですか、これ?

1972年時点で、米中は、「事実上の同盟関係だ」と、キッ
シンジャー がいっている。


このキッシンジャーは、しばしばトランプに会っています。

なんでも、「トランプの外交指南役」だとか。

トランプが「親中」になってきた原因の一つが、このおじさん
にあることは、間違いないでしょう。


さて、ニクソン訪中は、1972年2月。

日本では、田中角栄が72年7月、総理大臣に就任した。

彼は、同年9月訪中し、「アッ」という間に「日中国交正常化
を成し遂げてしまいます。

(ちなみに、米中国交正常化は、1979年。)


アメリカを出し抜こうとする田中総理に、キッシンジャーは大
激怒。


「ジャップは最悪の裏切り者!」


と絶叫したことが、明らかになっています。

共同通信2006年5月26日から。


<「ジャップは最悪の裏切り者」(解禁された米公文書より)
72年にキッシンジャー

【ワシントン26日共同】ニクソン米大統領の中国訪問など
1970年代の米外交政策を主導したキッシンジャー大統領
補佐官(後に国務長官)が72年夏、

田中角栄首相が訪中して日中国交正常化を図る計画を知り
「ジャップ(日本人への蔑称(べっしょう))」との表現を
使って日本を「最悪の裏切り者」と非難していたことが、2
6日までに解禁された米公文書で分かった。>


この時、田中角栄は明らかに、日中関係を日米関係より優先
させていました。

つまり、


日中関係 >>> 日米関係


それで、得をしたのは、どの国でしょう?

そう、中国ですね。

日本とアメリカが「中国愛」を競う状態になり、中国は急速
に発展していった。

毛沢東トウ小平の外交は、まことに見事でした。

 

▼「人民解放軍野戦軍司令官」になった小沢一郎

 

もう一つの例は、田中角栄さんの弟子・小沢一郎さんです。

08年、リーマン・ショックから「100年に1度の大不況」
が起こります。

世界中の国々が、「アメリカは沈み、中国は昇る」と思った。

これは、実際そうだったのです。


アメリカの沈没と、中国浮上は、日本の政界にも大きな影響
を与えます。

そう、親米自民党が沈み、親中民主党が政権をとった。

鳩山・小沢コンビは、露骨に「アメリカ軽視、中国重視」に
外交を転換します。

09年12月、大訪中団を率いて北京に乗り込んだ小沢一郎
幹事長は、

「私は、人民解放軍野戦軍司令官である!」と宣言します。


小沢さんは、師匠の田中角栄さんと同じで、日中関係を日米
関係より大事にした。

それで、どうなりましたか?

比較的最近のことですので、私たちは覚えています。

 

▼日中和解はいいが、「工作」には要注意

 

というわけで、日中関係は、


1、米中関係と比例していなければならない。

(米中関係が悪いときは、日中関係も悪く、良いときは良く
。)


2、軍事同盟関係にある日米関係は、常に日中関係より優先
される。

(これが逆転すると、ロクなことがない。)


中国は、外交というか「工作」が得意なので、よほど注意が
必要です。

反日統一共同戦線戦略」第3のポイントは、

「アメリカを戦線に引き入れる」でした。

そのためには、「日本とアメリカを分裂させなければならな
い」。

どうやって?

一つは、アメリカで、「安倍は右翼」「安倍は軍国主義」「
安倍は歴史修正主義者」

プロパガンダする。

これ、2013年から2014年初めにかけて、かなり成果
がでていました。

リベラル・オバマさんが、中国のプロパガンダにひっかかっ
た。


それがダメなら、中国は、「日本と大の仲良しになる」とい
う方法もありますね。

田中角栄さんや小沢一郎さんの時代を思いだしてください。

日中関係がよくなったので、結果、日米関係が悪化した。


ですから、安倍総理、中国との関係をよくするのはいいです
が、

それで日米関係が損なわれないよう、細心の注意が必要です。


「トランプに5回会ったら、習近平に1回会う」


くらいの頻度がちょうどいいでしょう。

 

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