フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

★なぜアメリカのシリア攻撃は、【国際法違反】なのか?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


世界情勢で今もっとも「旬」な話題は、


「アメリカが、シリアの空軍基地をミサイル攻撃したこと」


でしょう。

これに関して、「全体像」を書くと長くなりすぎます。

そこで、ダイヤモンド・オンラインさんに、記事を書くことに
しました。

近日公開予定ですので、ご期待ください。


それでも、今日は、「アメリカのシリア攻撃」関連を書きます。

こんな記事を見つけました。


<シリア攻撃 菅官房長官 攻撃の根拠「米国から考えを聴取」

産経新聞 4/10(月) 12:24配信

 菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で、米軍によるシリア
攻撃に関する国際法上の根拠について「わが国は軍事作戦の当事
者ではなく、米国から考えを聴取しているところだ」と語った。

10日の日米電話首脳会談で米側からの説明はなかった経緯も明
らかした。

米軍による攻撃に対しロシアなどから「国際法違反」との反発が
出ている現状には「英仏独など西欧諸国や、トルコ、ヨルダンな
ど中東諸国が米国の対応を支持している。本件はG7(主要7カ
国)や国連安保理などの場で議論される予定で、国際社会と連携
しながら取り組んでいきたい」と指摘した。>


<ロシアなどから「国際法違反」との反発が出ている>

そうです。

別に私はロシアの味方ではありませんが、「どうしてそういう批
判がでるのか?」知っておきましょう。

 

国際法上「合法」な戦争1~自衛権の行使

 

現在の国際法では、「合法的な戦争」が、二つあります。


一つは、「自衛権の行使」です。

たとえば、北朝鮮のミサイルが日本国内に到達して被害が出た。

この場合、日本は、「個別的自衛権」を行使し、北朝鮮を攻め
ることができます。

これは、「国際法上合法」なのです。


さらに、これを見た同盟国のアメリカが、日本と共に北朝鮮
攻める。

これも、「集団的自衛権」の行使ということで、合法になりま
す。


この二つは、「議論の余地がない絶対的なもの」と認識されて
います。

だから日本が、同盟国アメリカを守るために「集団的自衛権
を行使することについて、

中韓以外「悪い」という国はありません。


自衛権行使」ということではじまった戦争の例は、2001年から
のアフガン戦争です。

アフガンが匿っているとされるアルカイダが、アメリカを攻撃し
た。(9.11)

だから、アメリカは、「個別的自衛権を行使した」と。

NATO諸国は、「集団的自衛権を行使した」と。

 

▼議論がわかれる、「先制的自衛権

 

自衛権には、もう一つ「先制的自衛権」というのがあります。

たとえば、北朝鮮には、


核兵器がある

・ミサイルに搭載できるほど小型化できているとしている

・アメリカに到達する大陸間弾道ミサイルも、まもなく完成
するとしている

北朝鮮は、日本、アメリカ、韓国を脅迫、挑発しつづけて
いる


こういう現状で、「北朝鮮が、


実際に日米韓を攻撃する前に、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日米韓が北朝鮮を攻撃する」。

これを、「先制的自衛権」といいます。


「先制的自衛権」に関しては、「合法」なのか「違法」なのか、

「議論がつづいている」状態なのです。


もし、米軍が今、北朝鮮を攻めたらそれは「合法」でしょうか?

「違法」でしょうか?


おそらく、中国、ロシアは、「違法だ!」と主張し、

日本、アメリカ、韓国は、「合法だ!」と主張するでしょう。

いずれにしても、「議論がわかれている」ので、「完全に違法」と
いうこともできません。

 

国際法上「合法」な戦争2~国連安保理の承認

 

もう一つ「合法的」な戦争は、「国連安保理が承認した場合」です。

たとえば、1991年の「湾岸戦争」。

これは、イラクが隣国クウェートを侵略したことで起こった。

国連安保理が一体化した、珍しいケースです。


比較的最近の例では2011年のリビア攻撃。

この時、中国、ロシアは、「拒否権」を行使せず、「棄権」しまし
た。


国連安保理」といいますが、実権を握っている国は、

「拒否権」をもつ「常任理事国」。

すなわち、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国です。

そして、米英仏 と 中ロ の利害は、ほとんどいつも一致しない。

それで、「国連安保理は、機能不全だ!」という批判が、ずっとあ
ります。


とはいえ、それが現在の「国際法」ですから、仕方ありません。

ちなみにシリアについては、

ロシア、中国が、アサド現政権を守る立場。

アメリカ、イギリス、フランス、が反アサド政権の立場。


米英仏が、アサド関連で何か提案すると、中ロが拒否権を行使
する。

そういう構図になっています。

 

▼なぜアメリカのシリア攻撃は、「国際法違反」なのか?

 

では、今回のアメリカによる「シリア攻撃」はどうなのでしょ
うか?

攻撃したのはアメリカ。

攻撃されたのは、シリアです。


理由は、シリアのアサド軍が、反アサド派支配地域を空爆し、86人
が亡くなった。

そのとき、「アサド軍は、化学兵器を使った可能性がある」。


まず、アメリカ軍が攻撃されたわけではないので、「自衛権の行
使」ではありません。

次に、「国連安保理」はどうでしょうか?

国連安保理では、いつものようにアメリカとロシアが激論をかわ
していました。

それで、もちろん「武力行使容認の決議」など、出ていませんで
した。


というわけで、アメリカの「シリア攻撃」は、


「明白な国際法違反」


です。

ところが現実を見ると、ロシア、イラン以外のほとんどの国が、
アメリカのシリア攻撃を支持しています。


今の「国際法」「国連」「安保理」などが、「機能不全」にお
ちいっているのは、明白ですね。

 

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