フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

★アメリカは弱体化し、G7すら支配できていない現実

 

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


昨日配信のメルマガについて。

まだ読まれていない方は、まずこちらをご一読ください。

http://archives.mag2.com/0000012950/20170326154147000.html
(●中国主導AIIB参加国、さらに激増 )


これについて読者のSさまから、ご意見をいただきました。


<北野様

何時も貴重な情報有り難うございます。

貴殿のAIIBの見解につき一言述べさせて頂きます。

G7いやG20の主要国家でAIIBに不参加は日米。

貴殿はアメリカの言うことを無視しイギリスが参画したので各国が
参画した!として中共がアメリカに勝った!としてます。

しかし狙いはAIIBに関するG7首脳会議を秘密裏に実施して世界No1,
3「実質はNo1,2ですが」日米が不参加にしてイギリス,ドイツ,フラ
ンス等G7組が主導して中共のAIIB運用を制御。

且つ若し中共が力を行使したら外から日米が叩く」且つG7組が脱退
して中共の面子を潰す。と言うG7戦略です。

もうひとつは中国共産党一党独裁軍国主義ファシズム専制統治国家
中華人民共和国の統治システムをG7並にするべく金融システムか
中共を国際水準にして中国共産党特権階級の強硬派を押さえ込む
戦略です。

友人のHSBCステラジストに聞きました。

御見解下さい。

(以下略) >


まず、基本的なところから。


<イギリス,ドイツ,フランス等G7組が主導して中共のAIIB運
用を制御。>


中国は、AIIB議決権の26%を握っているので、英独仏が主導
することは不可能です。

AIIBは、事実上、「中国が支配する国際金融機関」です。


次に、Sさま(あるいはHSBCストラテジスト)は、

「G7は表面的に分裂しているように見えるが、実は一体化し
て動いている」

というご意見。

そうなのでしょうか?

 

▼日本と世界の見方のズレ

 

よく「日本の常識は、世界の非常識」とか、「日本の非常識
は世界の常識」などといいます。

それがホントかどうかはわかりませんが、

実際、「日本国内の見方と世界の見方は違う」と思うことが
あります。


一番最初に感じたのは、1990年のこと。

この年、私はモスクワに留学しました。

すると、ソ連人も世界中から来ていた留学生も、みんな日本
のことが大好きだった。

自虐史観」で育った私は、「おいおい、日本は世界中で嫌
われているんじゃないのか???!!!」と驚いた。

「洗脳」から解放されたのですが、別の言葉で

「日本国内の情報と、外国の情報のギャップに気がついた」

ともいえます。


今も、日本国内の情報と、世界の情報には大きなギャップが
あります。

たとえば、「G7は、一つにまとまっていて、一体化して動い
ている」。

これは、「アメリカは今もとても強く、G7を支配している」
という考えが基になっているのでしょう。


アメリカは、確かに強力です。

GDPでも軍事費でも、圧倒的に世界一。

しかし、相対的に、その力は衰えている。

だから、オバマは、「アメリカは世界の警察官ではない!」と
いう。

トランプは、「アメリカを、【再び】偉大な国にする!」とい
う。

つまりトランプと彼を支持している米国民は、

「アメリカは現状、【偉大ではない】」と認識している。


実際、世界の見方は、「アメリカ一極世界は、08年からの危機
で終わった」です。

オバマ時代の8年で、アメリカは、ますます弱くなった。


「アメリカは、今も世界の隅々までを支配している。

G7諸国は、アメリカの言いなり。

だから、AIIBに関する行動についても、何か【裏】があるはず
だ」


に関して、私はそう思いません。

 

▼シリア攻撃ドタキャンで露呈した米英仏の分裂

 

一つわかりやすい例をあげておきましょう。


G7というと、

日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、
カナダです。

2013年8月、オバマは、「シリアを攻撃するぞ!」とはりき
っていました。

理由は、「アサド軍が化学兵器をつかったからだ」と。


「特別な関係」にあるイギリスと、フランスは同調しました。


ところが8月末、まずイギリスが、「やっぱ戦争するのやめ
た」と反対にまわった。

これは、議会が反対したからです。

そして、フランスも反対にまわった。


結果、オバマは2013年9月10日、戦争を「ドタキャン」せざ
るを得なくなった。

これでオバマは、大恥をかき、「史上最弱のアメリカ大統
領」とさんざん批判されました。


もし「アメリカは強力で、他のG7諸国は言いなりだ」とい
うのなら、

なぜイギリスやフランスは、アメリカに逆らって戦争反対に
まわったのでしょうか?

答えは、「アメリカに逆らって反戦になっても、怖くない」
と判断したからでしょう。

実をいうとアメリカは、「G7諸国すら完全支配できていない」
状態なのです。

 

▼「AIIB事件」を振り返る

 

アメリカの現状を理解したところで、「AIIB事件」について
振り返ってみましょう。


私の見解は、「アメリカと特別な関係」と呼ばれたイギリス
が、先頭を切ってアメリカを裏切り、「雪崩現象が起こった」
でした。

もちろん根拠もあります。

ロイター2015年3月24日付をみてみましょう。

 

<欧州諸国は今月、いずれも先発者利益を得ようとAIIBへの
参加を表明。

米国の懸念に対抗したかたちとなった。

いち早く参加を表明した英国のオズボーン財務相は議会で行った
演説で、AIIBが英国にもたらす事業機会を強調した。


「われわれは、西側の主要国として初めてAIIBの創設メンバ
ーに加わることを決定した。新たな国際機関の創設の場に存在す
べきだと考えたからだ」と述べた。


この演説の前には、ルー米財務長官が電話で参加を控えるよう
オズボーン財務相に求めていた。>

 

アメリカが「AIIBに参加するな」と要求し、イギリスは、それ
を無視したことがはっきりわかります。

これで、他の国々は、「アメリカと世界一仲良しのイギリスが
AIIBに入るのなら、私たちも許されるであろう」と判断します。

 

<米国の緊密な同盟国である英国のこの決定を受け、他国の参
加ラッシュが始まった。

英国の「抜け駆け」を不満とする独仏伊も相次ぎ参加を表明し、
ルクセンブルクとスイスも素早く続いた。>(同前)

 

中国は、大敗北を喫したアメリカを笑います。

 

<中国国営の新華社は論評で「ドイツ、フランス、イタリア、
そして主要7カ国(G7)のメンバーで米国の長年の同盟国で
もある英国の加盟は、米国が掲げる『反AIIB』の動きに決
定的な亀裂を生じさせた」とし、

「負け惜しみは米国を孤立させ、偽善的にみせる」と批判した。


「負け惜しみはアメリカを孤立させ、偽善的にみせる」そうで
す。

 


以上が、Sさまのおたよりへの回答になります。

私もHSBCストラテジストの見解が、「正解であればいいが・・」
とは思います。


しかし、素直に、「アメリカも弱くなったな・・・」というこ
とではないでしょうか?

繰り返しになりますが、だからトランプさんは、「アメリカを、

【再び】偉大にする!」というのです。

 

いま偉大であれば、【再び】とはいわないはずです。