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フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

論長論短 No.289 良い経営者の共通点 宋文洲

 

新版 やっぱり変だよ日本の営業

新版 やっぱり変だよ日本の営業

 

二十代で創業して以来、そろそろ30年間が経ちました。経営者として

たいしたことはできませんでしたが、自分の経験を通じてすごい経営者達と
友人としてつき合ってきたことがうれしいです。

書店には経営のノウハウ本は腐るほどあります。経営者の心構えを説教する本も
たくさんあります。まあ、きれい事が嫌いな私は「お前は自分の説教通りに
もう一度経営者をやってみろよ」と言いたくなるような説教本は目に余ります。

時代の背景に文化の背景に技術革新とマーケットの変遷。経営にはなかなか定説が
ありませんし、永遠不変な原理もありません。あるとすれば常に変化していることと、
もう一つ経営者は良い人が多いことです。

十年、二十年前から付き合っていて、雑居ビルの一室から会社を始める時から
よく知っている経営者はたくさんいます。大きな事業を成し遂げたり
大きな企業の経営を任せられたりする友人には、脅威的な共通点があります。

彼らは皆良い人です。

ここの「良い人」とは女性が男性を振る時や悪口のコメントを避ける時によく使う
「良い人なのですが・・・」の良い人と全然違います。

「ナイスガイ、グッドパーソン」の意味です。正直で人の面倒をよく見る。
そして人に優しいのです。しかも人を見て変わるのではなく、
ほぼ癖でやってしまうのです。

その中の一人は玉塚さんです。先日、彼を週刊文春の編集長の新谷さんに
紹介しました。新谷さんは編集長でいわばまだ経営者になっていませんが、
実際のお付き合いを通じて複雑な環境の中でも果敢にリスクを取り、
決断を下す経営者に向いている人です。大手マスコミが堕落している中、
文春がスクープを連発し、ジャーナリズムの旗を降ろさない原因は
新谷さんのリーダーシップによるところが大きいと思います。
当然、良い人です(ナイスガイ)。

類が友を呼ぶ。偶然な機会で私の紹介でお二人が知り合いになりました。
またその直後に新谷さんが仕事を通じて取得した仕事術を紹介する本を
刊行しました。すぐ読ませていただきましたが、「新谷さんはやっぱり本物だな」、
「こんなノウハウを千円くらいで知れるとは」「経験を積んでいない若い人は
どれほど凄さを分かるかな」などの感想を持ちました。

その時、新谷さんから「宋さん、玉塚さんからすごい感想をいただいた。
初対面なのに感動した」とのメールをいただきました。好奇心に駆使されて
私はすぐ玉塚さんから新谷さんに向けたその感想を送ってもらいました。

さすがです。本への感想はもちろんまったく同感ですが、なぜ私はこんなに
優しく書いてあげられないか」と自己嫌悪に陥りました。以下は原文です:

 

新谷さん、本を贈って頂きありがとうございました!
早速“週刊文春編集長の仕事術”を読ませて頂きました。具体的な実話、
実名が満載で実に面白くあっという間に読んでしまいました。
内容極めて濃く、新谷さんの仕事に対する考え方、週刊文春の強さの理由が
良く理解出来る素晴らしい本だと思いました。

また、書かれている内容について経営者、リーダーとして共感するところ多々あり
感銘を受けました。
特に、私自身が強く感じた点をいくつか共有させて頂きます。

1.スピード
走りながらやる。とにかく思ったことは実行する。出来る人間はすぐやる。
私も常々社内で、デフレや震災等外部環境は自らコントロール出来ないが、
自組織のスピードだけは自分達次第でいくらでも変えられると吠えています。
全てにおいて“スピード”が極めて重要な事、強く同感致しました。

2.根性・覚悟
あらゆる局面で常にベストな選択肢から逃げずに、全てのものに真摯に向き合う。
実に大切な事だと痛感しました。実例で山崎拓さんとの関係にも触れられていましたが、
彼ともしっかりと本気で向き合い、結果としてはその後親しい仲になる
という内容には、新谷さんとチームの仕事に対する大きな覚悟と、“根性”を
強く感じました。

3.一期一会
新谷さんの人間に対する深く強い興味、そして一つ一つの出会いを大切にし、
それぞれ真摯にきちんと向き合っていく姿勢にとても感動しました。
人への興味を持ち続け、その人間の本質をつかみとる事により、
様々な事が見えてくる。そしてその真摯な人間関係が新たなドラマを創る。
結果として大きなスクープにつながるストーリーに出会う。
現在の文春の成功の正に土台なのだと強く感じました。

4.感度
商売でも、経営者、現場の“感度”が低いと目の前にチャンスやピンチが現れても
気付かない。そのチャンスを活かす事が出来ない。小さな現象、変化、さり気ない
一言への感度の高さが極めて重要と考えます。
ショーン・Kさんがユアタイムのキャスターへ抜擢されたというニュースに対し、
世間が皆「すごい」と話題になった際に、「ちょっと待て」と自身の中で
違和感を感じたという、その感度。更に舛添元知事の欧州出張に
5,000万円かかっているという事実から「何かあるのでは」と疑問を持つこと、
新谷さんのその“感度”には心から共感しました。小さな現象や僅かな兆しに
気づき、行動に移していくその実行力、自身も経営者として非常に大切なことだと
共感しました。

新谷さんが書かれたことは、全て僕らの商売、そして経営にも通じることであり、
色々なことを気づかされた内容でした。また、強い組織というものは決して
マニュアル化出来るものではないということ、杓子定規で組織を作りあげていく
のではなく、個別具体的な状況を見ながら如何にスピードを持って対応していくか
ということが肝要だという点にも激しく同感しました。
そして何よりも“どうなるのでなくどうする”が重要。強い目的意識を意志をもって、
どんな局面でも“どうする”にこだわり組織を導く事が極めて重要だと思います。
長文となり恐縮ですが、一読者の感想として受け止めて頂けると幸いです。
私も新谷さんに負けぬよう、OBを恐れずに、“フルスィング”で経営、商売の現場で
頑張っていきたいと思います。

玉塚元一

 

 

新谷さんの本に興味のある方はこちらへ
http://r31.smp.ne.jp/u/No/3487457/EaNraiIBfeBD_85559/487457_170317001.html