フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

「稲田防相のWW(訳分からない)答弁」From 佐藤健志

 

新刊『右の売国、左の亡国 2020年、日本は世界の中心で消滅する』

いよいよ今週、アスペクトより発売となります!

アマゾンでは24日(金)に発売。
25日(土)あたりから都市部主要書店を中心に並び始め、2月中には全国に出回るとのことです。

 

私の手元には見本が届いていますが、素敵な仕上がりになったと思いますよ。

本の構成を、ここでご紹介しましょう。

第一部 日本は世界の中心で消滅する
I 今、何が起きているのか?
II このままだと日本はどうなるか?
III なぜ、こんなことになったのか?
IV で、われわれは何をすべきなのか?

第二部 「消えゆく国」の風景
01 石原慎太郎から安倍晋三まで
02 恐怖の「ダブルお花畑」
03 さらば、愛の行為よ
04 劇団四季と戦後の顛末

巻末付録 政治経済用語辞典

また『右の売国、左の亡国』に続く本『炎上するニッポン』(仮題)も、おかげさまで順調に進んでいます。

前にも書きましたが、これは藤井聡さんとの共著。
われわれの論考が交互に三章ずつ並んだあと、対談によって締めくくられます。
一回目の対談は、さる13日に行われましたが、楽しく充実したものとなりました。
当日の様子をご覧になりたい方はこちらを。
goo.gl/ltGLpp

このメルマガが配信される22日には、二回目の対談が行われる予定。
こちらも、乞うご期待であります!

さて。

昨年末、安倍総理の暗黙の制止を振り切って
靖国神社へのKY(空気読めない)参拝を断行、
今月はじめには衆院予算委員会で、
質問とまるでかみ合わないBW(文脈分からない)答弁を繰り広げたあげく
委員長から打ち切りを食らった稲田朋美防衛大臣が、またまたやってくれました。

ご存じ、南スーダンにおける自衛隊のPKO活動をめぐるものですが、
さしずめ今回は、WW(訳分からない)答弁。

WWと言えば、今夏公開予定のハリウッド映画『ワンダー・ウーマン』の略称でもあるものの、
これはむしろ、もう笑うしかない、というWWですね。

https://www.youtube.com/watch?v=M3Lv0OeNars
(映画の予告編です)

詳細を振り返りましょう。
防衛省は今月7日、南スーダンのPKOに派遣された陸上自衛隊部隊が2016年7月に作成した日報と、
それに基づいて陸自中央即応集団が作成したモーニングレポートを公開しました。

同省は当初、日報の開示要求にたいして「破棄した」と返答していたので、
隠蔽工作をしていたか、でなければ文書管理がよほどズサンかのどちらかになりますが、
それはとりあえず脇に置きましょう。

問題は日報に
ジュバ市内の宿営地周辺で「激しい銃撃戦」や「砲弾落下」があった
と記されていたうえ、
「(大統領派と前副大統領派)両勢力による戦闘が確認されている」
「宿営地周辺における流れ弾や突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要」
とまで明記されていたこと。

モーニングレポートには、今後、想定されるシナリオとして
「ジュバでの衝突激化に伴う国連活動の停止」
まで挙げられていたそうです。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020701049&g=soc

この事態について、政府は今まで
「武器を使っての殺傷や物を破壊する行為はあったが、戦闘行為はなかった」
なる旨の説明をしてきました。

稲田防相自身、衆院予算委員会
「これは戦闘ではなく〈衝突事案〉である」
という趣旨の答弁をしていたとのこと。
http://lite-ra.com/2017/02/post-2905.html

d(^_^)\(^O^)/PKOって、交通事故みたい\(^O^)/(^_^)b

すでに十分、WWではないかという気もしますが、
現地部隊の日誌に「戦闘」とハッキリ書いてあったとなると、話はシャレにならなくなる。
「紛争当事者間での停戦合意の成立」という、PKO参加の原則に反することになりかねないからです。

裏を返せば
「政府は戦闘があったと認識していたのに、自衛隊スーダンから撤収させたくなくて
国会でウソをついていたのではないか」
ということになりかねない。

しかるにわれらがワンダーウーマン・・・
じゃなかった防衛大臣
さらなるWWへと踏み出すんですね。

「一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している。
法的な意味の戦闘行為ではない。武力衝突だ」
としたうえで、こう述べたのです。

「なぜ、法的な意味における戦闘行為があったかどうかにこだわるかと言いますと、
これは『国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為』
が仮におこなわれていたとすれば、それは憲法9条上の問題になりますよね? 
そうではない、だから戦闘行為ではないということになぜ意味があるかと言うと、
憲法9条の問題にかかわるかどうかということでございます。
その意味において、戦闘行為ではないということでございます」

この答弁、別の報道ではこうなっていました。

「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、
武力衝突という言葉を使っている」

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020800667&g=pol
http://lite-ra.com/2017/02/post-2905.html
http://www.asahi.com/articles/ASK2834BRK28UTFK006.html

防相が機転の利く人物でないことは、KY参拝やBW答弁からも明らかなのですが、ここまでくると
自分の言葉が何を意味するか、もっと考えてからしゃべってくれ!!
という感じです。

つまりですな。
防相の言わんとしていることは、以下のごとく好意的に解釈すれば、一理ないわけでもないのですよ。

1)自衛隊の行動は、憲法をはじめとする諸法制によって、さまざまな制約が加えられている。
2)しかし自衛隊も、国際的な平和の維持にもっと積極的に貢献する必要がある。
3)本来なら憲法をはじめとする法制を見直すのが筋だが、それは容易ではない。
4)ゆえに自衛隊の行動を規制する事柄については、法的な意味をきっちり定義する必要がある。
5)そのように定義された意味は、一般的な用法とは異なる場合がある。
6)よって現地部隊の日報に「戦闘」と記載されていても、
 「PKO参加の原則に反するので即座に撤収しろ」という話には(必ずしも)ならない。

しかし防相はそうは言わなかった。

戦闘があったと認めてしまうと、憲法上の問題が生じて都合が悪い。
だから戦闘は起きていないことにする!!

こう受け取られても仕方がないというか、
報道から判断するかぎり、そうとしか受け取れない言い方をしてしまったのです。

・・・私の記憶が正しければ、稲田防相は憲法改正論者だったはず。
いったいいつから、憲法を現実の上に置くようになったのですかね?

だいたいこれは
平和憲法が守られてさえいれば、現実認識はどんなにお花畑でもいい」
と構える点において、
一部では絶滅すら危惧されている左翼・リベラルの発想と瓜二つではありませんか。

してみると先週の記事「左翼・リベラルに同情せずにはいられない話」でご紹介した
「左ってもう無くなっていると思うけど、右の人たちの頭の中だけで存在(する)」
というフレーズにも、じつは深い真実が隠されているのかも知れません。
すなわち。

左翼・リベラルが絶滅危惧種になるほど衰退したのは
彼らの発想が保守の頭の中にすっかり入り込み、
その言動を支配するにいたったからではないのか?!

ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/!!!保守、それは左翼である!!!\(◎o◎)/(゜◇゜)ガーン

だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』というのですよ。

とはいえ稲田さんこそ、まさに日本のワンダーウーマンと呼ぶにふさわしい方。
次はどんなWWを見せてくれるか、楽しみに待とうではありませんか!

ではでは♪


佐藤健志からのお知らせ>
1)2月16日発売の『表現者』71号に、評論「戦後日本の『しあはせ』の条件」が掲載されました。

2)「戦後レジーム脱却」が、KYからBWを経て、WWな顛末にいたるメカニズムの体系的分析です。

『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』(徳間書店
http://www.amazon.co.jp//dp/4198640637/(紙版)
http://qq4q.biz/uaui(電子版)

3)保守が左翼だとすれば、「右か左か」という発想も、今やまったくのWWと言えるでしょう。

『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は終わった』(アスペクト
http://amzn.to/1A9Ezve(紙版)
http://amzn.to/1CbFYXj(電子版)

4)戦後日本が、時が立てば立つほどWWになっていった経緯と構造についてはこちらを。

『僕たちは戦後史を知らない 日本の「敗戦」は4回繰り返された』(祥伝社
http://amzn.to/1lXtYQM

5)「ごまかし仕事に終始した者には、怠けたツケが回ってくる」(195ページ)
エドマンド・バークの警告です。稲田防相がそうならないことを祈るのみ。

『新訳 フランス革命省察 「保守主義の父」かく語りき』(PHP研究所)
http://amzn.to/1jLBOcj (紙版)
http://amzn.to/19bYio8 (電子版)

6)「もっともな言い分と、メチャクチャなタワゴトとが、十分な考えもなしに混ざり合っているのだ」(240ページ)
はて、トマス・ペインが稲田防相の答弁を知っていたはずはないのですが・・・

『コモン・センス完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」』(PHP研究所)
http://amzn.to/1AF8Bxz(電子版)

7)そして、ブログとツイッターはこちらをどうぞ。
ブログ http://kenjisato1966.com
ツイッター http://twitter.com/kenjisato1966