★敵に包囲され、身動きできないトランプ

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

 

(●今回は、「おたよりコーナー」も重要です。
是非ご一読ください。)

 

トランプ、戦略の基軸は、


「ロシアと和解して、中国に対抗する」


です。

大統領選挙戦中も、大統領就任後も、一貫して「親ロシア、反中国」
である。

しかし、「敵」が彼の外交を邪魔します。

つまり、


「ロシアとの和解は許しません!」

「中国と対立することは、許しません!」


と圧力がかかっている。

何が起こっているか、見てみましょう。

 

▼ロシアの失望

 

ロシアは、世界一「トランプ支持率」が高い国です。

プーチンの支持率は80%強ですが、トランプの支持率は、おそ
らく100%近いでしょう。

なぜ?

選挙戦中から「ロシアとの和解」を宣言していたトランプなら

「制裁を解除してくれるだろう」と期待している。


しかし、早速ロシアでは、「トランプ大丈夫だろうか?」と
いうムードが漂いはじめています。

トランプ政権には、トランプ大統領の他に、「特に親ロシア」
の大物が二人いた。

ひとりは、「プーチンの親友」と呼ばれる、ティラーソン国務
長官。

もうひとりは、「プーチンの隣に座った男」フリン大統領補佐
官。

しかし、フリンさんは2月13日、辞任してしまった。

 

<<米補佐官辞任>制裁解除、露と協議疑惑 フリン氏

毎日新聞 2/14(火) 22:05配信

 【ワシントン大前仁、三木幸治】米ホワイトハウスは13日、
フリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が辞任したと
発表した。

フリン氏はトランプ政権発足前、駐米ロシア大使と対露制裁解
除について電話で協議し、その後、政権内で虚偽の説明を
した疑惑が浮上。>

 

もう一人の「希望」ティラーソン国務長官は2月16日、ドイツ
でロシアのラブロフ外相と会談しました。

何を話したのか?

アメリカ、ロシア共通の課題である、「IS問題」「シリア内
戦問題」で協力していくこと。

しかし、「ウクライナ問題」で譲歩する気配は見せませんで
した。

それでも、ティラーソンさんは、今後も「ロシアの希望」で
ありつづけます。


一方、マティス国防相は、ロシアに「より強硬」です。

マティスさんは、中国にもロシアにも厳しいのですね。

彼は2月15日、NATO国防相理事会に参加しました。

そして、トランプさんの公約通り、NATO加盟国が「GDPの2%を
軍事費にあてること」を要求した。

現状はどうなのでしょうか?

27の加盟国のうち、2%に達しているのは、アメリカ、イギリス、
エストニアギリシャポーランドだけ。

このうちエストニアギリシャポーランドが2%に達していて
も、あまり意味はありません。

やはり、「ドイツ、もっと軍事費出せ!」ということでしょう。

(ドイツの国防費は、GDP比で1.2%程度。)


「もっと金を出せ!」といわれて、他の加盟国は嫌な気分だっ
たでしょうか?

それでも、マティスさんは、こんな発言でNATO加盟国を安心さ
せました。


マティス氏はさらに、共通防衛への投資は非常に重要だとし、
ロシアによるクリミア併合や、トルコの南に国境を接するシリ
アやイラクで台頭する過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)
など、2014年以降に生じた脅威を挙げた。>

BBC News 2月16日)


ロシアを「脅威」に挙げたことで、NATO加盟国、特にロシアに
近いバルト三国ポーランドは、安心したのですね。

もちろん、ロシア、マティスさん発言に落胆しています。

マティスさんは、こんなこともいいました。


マティス国防長官はNATOへの強い支持を表明し、安全保障
上の課題に対応する同盟の力を称賛し、「この同盟は米国と
大西洋対岸の諸国にとって根本的な基盤であり、共に強く結
びつけている」と語った。>(同上)

 

マティスさんが来て、日本は安心した。

NATO加盟国も、マティスさん発言で「一安心」しました。

「狂犬」と呼ばれる彼ですが、日本やNATOにとっては、「癒し
系」といえそうです。


さて、ペンス副大統領は2月18日、ドイツで開かれた「ミュン
ヘン安全保障会議」でスピーチしました。

こんなことをいっています。


<トランプ氏が接近の意欲を示しているロシアに対しては、ウ
クライナ東部の情勢をめぐって「ロシアの責任を問い、停戦を
定めたミンスク合意を守るよう求める必要がある」と明言。

会場からも賛同の声があがった。>

(CNN.co.jp 2/19)


こうして、アメリカ政府高官(副大統領、国務長官、国防長官)が、
ドイツに集結し、それぞれ発言した。

ロシアは、「あんまりオバマ時代と変わらないぞ・・・」という感
想を持ったのです。

 

▼敵に包囲されているトランプ

 

しかし、ロシアは、「トランプ自身が反ロシアになった」とは見
ていません。

そうではなく、「彼は敵に包囲されて、やりたいことができない
のだ」とみています。

「敵」とは誰でしょうか?


○トランプの敵1=民主党(と中国)

トランプに敗れた民主党

そして民主党有力政治家が中国と緊密な関係にあることは、よく
知られています。

(中国は、アメリカが反ロシアになることを望んでいます。

アメリカが反ロシアになれば、それだけ中国への圧力が減るから
です。)


○トランプの敵2= 共和党の反ロシア政治家

そして、本来トランプを支持すべき共和党の中にも、敵が多い。

なぜなら、共和党には「反ロシア議員」が多い。

(たとえばマケインさんなど。)


○トランプの敵3= マスコミ

トランプさんは、マスコミも敵にまわしています。

彼は、「ニューヨーク・タイムズ」「ABC」「CNN」などを、

「偽ニュースを流している」と批判している。

そして、「彼らは私の敵ではなく、アメリカ国民の敵なのだ!」
と宣言している。

いわれたメディアが、さらに攻撃的になるのも、わかります。


○トランプの敵4= 国際金融資本

トランプさんは、「ナショナリスト」。

だから、「グローバリスト」の「国際金融資本」は、反トランプ
が多い。

こういう時流を読んだ習近平は、ダボスで「グローバリズム絶対
支持宣言」をしました。

「国際金融資本」は、「トランプより習近平の方がマシかな?」
と思いはじめている。


○トランプの敵5= アメリカ諜報機関

トランプは、「イラク戦争」など、「諜報機関の失敗」を批判
してきました。

諜報機関も、「反トランプ」になっています。

一つの証拠は、フリンさんの辞任ですね。

フリンさんの辞任は、彼とロシア大使の電話の内容が問題にな
ったからです。

誰が「フリンーロシア大使電話会談」を盗聴したのでしょうか


というわけで、トランプさんの現状は、

「まだ国内で権力を掌握できていない状態」である。

 

▼得をするのは、またしても中国

 

「反トランプ陣営」には、ある特徴があります。


トランプを批判する理由が、「プーチンに近いから」なのです。


結果的に彼らは、「アメリカとロシアの対立を煽っている」と
もいえます。

するとどうなるかというと、「アメリカと中国の対立がゆるく
なる」。

そう、またまた中国がお得なポジションにつきつつある。

中国の戦略は、「自分は戦わず、他国を戦わせること」です。


「二頭のトラの戦いを、山頂から眺める」


これが、中国戦略の「理想形」なのです。

現状にあてはめると、


「二頭のトラ(アメリカとロシア)の戦いを、山頂から眺める」


となる。

二頭のトラが疲弊すれば、山で眺めていた中国だけが生き残る
でしょう。

「猛獣使い」の安倍総理が、二匹のトラを和解させることがで
きれば、世界平和に大きく貢献します。