読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプが「一つの中国」を認めたことをどう見る?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

 

(●安倍ートランプ会談の「大戦略的意義」とは???

ダイヤモンドオンラインで詳述しました。
まだの方は、いますぐこちらをご一読ください。

http://diamond.jp/articles/-/117755

スマホ、携帯で見れない方は、PCでお試しください。)

 

皆さんご存知のように、トランプは、「一つの中国」の原則を
認めました。

ウォール・ストリート・ジャーナル2月13日付の反応を見てみ
ましょう。

 

<米国と中国、足並みそろえた方向転換

ウォール・ストリート・ジャーナル 2/13(月) 8:42配信

【ワシントン】中国の習近平国家主席との9日夜の電話会談に
先立って、ドナルド・トランプ米大統領は「米中関係の礎」
を破棄するとの脅しを撤回することを決めた。

アジア政策継続に向けた動きの一環だった。

 トランプ氏は台湾を外交的に認めないという長年の米中
合意を破棄する可能性を示唆していたが、米政府高官によ
ると、電話会談が始まってから5分もしないうちにこの問
題は解消された。

習氏が「(台湾を中国の一部とみなす)『一つの中国』政
策を支持してほしい」と述べると、トランプ氏は「要請に
応じて支持する」と応じたという。>

 

習近平「『一つの中国』政策を支持してほしい」

トランプ「要請に応じて支持する」


だそうです。

この事実について、WSJの意見は。

 

< トランプ氏としては「脅し」から大きく後退した格好だが、
米国のアジア政策にとって極めて重要な経済や安全保障をめぐ
る交渉を進めるチャンスを得たともいえる。>(同上)

 

「トランプが『一つの中国』を認めなければ、中国と話はでき
ないが、

認めたので、中国と経済や安保の話ができるようになった」


というのがWSJの意見です。

 

▼トランプは、勝手に意見を変えたのか?

 

ところで、トランプさん、昨年12月には、「一つの中国を認める
かどうかは、交渉次第」などといっていた。

なぜ、わずか2か月で意見を変えたのでしょうか?

 

<一方、習氏は電話会談で、米国の新政権に対する中国の様子見
作戦が実ったこと確認した。

中国政府はトランプ政権に対し、米国の「一つの中国」支持が両
国関係にとって破ることができない前提条件であることを表明し
ていた。>(同上)

 

「様子見作戦が実った」そうです。

つまり、「何もしなかったら、勝手にトランプが意見を変えた」
と。

そうなのでしょうか???

そうなのかもしれません。

しかし、思いだされるのは、クリントン政権一期目に起きた、

クリントン・クーデター」のこと。


米中関係は、1970年代初めにニクソン毛沢東が和解した後、
概して良好でした。

両国には、「ソ連」という共通の敵がいた。


しかし、1980年代末から90年代初めにかけて、大きな危機が
訪れます。

一つは、1989年に起こった「天安門事件」。

これで、欧米世論は、一気に「反中」になった。


もう一つは、1991年末に起こった「ソ連崩壊」。

「共通の敵」が消えたことで、アメリカでは、もう中国と仲よ
くする意味はない!」という意見が力を増した。

1993年1月、大統領に就任したクリントンも、そんな世論を意
識して、当初非常に「反中」だったのです。

で、中国は、どうしたか?

このあたり、ニクソンキッシンジャーと共に米中関係を好転
させた男ピルズベリーさんが、


●China2049 

(詳細は→ http://tinyurl.com/j7omvuu )


で詳述しています。

アメリカが反中に転じることを恐れた中国は、なんとアメリカ
政府内に


「強力な親中派グループ」


を組織し、クリントンの「反中政策」を転換させることにした。

ピルズベリーによると、「親中派グループ」には、

国家安全保障担当補佐官トニー・レイク、
副補佐官サンディ・バーガー、
国家経済会議議長ロバート・ルービン
財務次官ローレンス・サマーズ

などが含まれていた。

ルービンは、元ゴールドマンサックスの会長で、後に財務長官
になりました。

サマーズは、ハーバード大学の経済学者で、ルービンの後に財
務長官になった。

確かに「強力」です。

親中派グループ」は、政治家の味方を増やしていった。


そして、何が起こったのか?

 

<ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」
と呼ぶものが起きた。

中国に同調する面々が大統領に反中姿勢の緩和を認めさせたの
だ。

クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実
現しなかった。

対中制裁は緩和され、後に解除された。>(143p)

 

驚愕の事実ですね。

中国はなんと、アメリカの外交政策を180度転換させることに
成功したのです。


ちなみに、この本は、「米中関係の真実」「中国の本性」を
知りたい方必読です。

北野絶対推薦、是非ご一読ください。


●China2049 ピルズベリー

(詳細は→ http://tinyurl.com/j7omvuu )

 

93年といえば、今から24年も前。

中国のGDPは、たったの6230億ドル。

これは、当時の日本の7分の1.

今の中国と比べると、18分の1。

こんな弱小国家だった1993年でも、中国はわずか1年でアメリカ
の国策を180度転換させる力があった。

国力増加に比例して中国が「工作費」を増やしたとすれば?

トランプの意見を2か月で変えることも可能なのではないでし
ょうか?

以上、証拠はありません。

ただ、明らかになった過去を見れば、「今はこんなことやって
いるのではないか?」と想像できます。

 

▼「一つの中国」、日本にとっては?

 

WSJ2月13日付は、トランプが「一つの中国」を認めたことは、
「日本にとってどうなのか?」という話をしています。

 

<トランプ氏は記者会見で「日本とその施政下にあるあらゆる
地域の安全保障および極めて重要な日米の同盟関係の一層の強
化に関与する」、「日米同盟は太平洋地域の平和と安定の礎で
ある」と述べた。

そのうえで、習国家主席との電話会談や米中の親密な関係が日
本にも利益をもたらすと指摘した。

大統領は習氏との電話会談について

「非常に温かい会話だった。われわれはとてもうまくやってい
く過程にあると思う」

とし、

「そうなれば中国、日本、米国を含めたこの地域の全ての国に
とって非常によい結果をもたらすだろう」と語った。>

 

これ、どうなのでしょうか?

日本とアメリカが、「強固な関係」を築いているという前提が
あれば、

米中が仲良くするのは「よいこと」です。


なぜ?


私たちの願いは、「尖閣、沖縄を中国の脅威から守ること」。


皆さんご存知のように、中国は、「日本には尖閣だけでなく、
沖縄の領有権もない!」と主張しているのですね。

(●必読完全証拠はこちら。↓
https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/ )


今回の会談で、トランプさんは「尖閣日米安保の適用範囲」と
断言した。

これは「大きな抑止力」で、中国もなかなか大胆な行動はとれな
くなるでしょう。


その上で、トランプさんは、「中国と仲良くしたい」という。

本当にそうなるか、大いに疑問ですが、本当に仲よくしても誰も
困らない。


逆のケースを想像してみればわかります。

アメリカが、台湾を守るために中国と戦争する?

これは、世界が望まない事態です。

どう始まるかにもよりますが、日本も駆り出される可能性が高
いでしょう。

私たちは戦争を望んでいないので、

日米関係が強固である大前提で、米中関係が好転するのは悪く
ない。


(@トランプが「一つの中国」を認めたからといって、

「米中覇権争奪戦」「米中冷戦」が、「はじまる前に終わった」

と見るのは、慌てすぎです。)


ただ、台湾は哀れです。

トランプさんは、梯子をたてて、わずか2か月で外してしまっ
た。

台湾の人たちの落胆は大きいことでしょう。

台湾、ウクライナジョージア(旧グルジア)、韓国など。

大国の事情に翻弄される小国は、本当に大変です。


日本も、よほど警戒している必要があります。

 

▼日本の戦略は、「現状維持」と「時間稼ぎ」

 

現状、日本の現実的脅威は、二国だけです。

一つは、尖閣、沖縄を狙う中国。

もう一つは、北朝鮮

 

特に、GDP、軍事費世界2位の大国中国の脅威は、深刻です。

日本は、アメリカとの同盟関係を強固にすることで、

尖閣侵攻」の意欲をくじいておく必要がある。

同時に、「アメリカのお役に立ちたい」ということで軍備を
増強し、ちゃっかり「軍事的自立」を目指す。


そして、「現状維持」「時間稼ぎ」をつづけていきます。

なぜ?

10年以上前から予想していたように、中国経済の減速が著し
い。

(2005年発売の「ボロボロになった覇権国家」で、

「中国は、08~10年に起こる危機を短期間で乗り切るが、

成長がつづくのは2020年まで」と書いています。)


これは「国家ライフサイクル」でわかるのです。

つまり、中国は、「成長期後期から成熟期に移行する際の混
乱が待ち受けている」状態。

日本でいえば、1980年代後半にあたるでしょう。

2020年代になると、中国は、日本の1990年代にあたる時代に
入っていく。

一人っ子政策」の結果、高齢化が急速に進み、「暗黒の時
代」に突入していきます。

だから、日本は、あせる必要がない。


・アメリカとの関係を、一貫して良好に保ちつづける。

・インドとの関係を、事実上の同盟関係まだ高めていく。

・ロシアとの関係をさらに発展させ、結果中ロを分断する。

・台湾、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなどとの関
係をますます強化していく。


そして、「現状維持」「時間稼ぎ」をつづけていく。

時は、日本の味方です。

 

*1" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51W9Ck7f6SL._SL160_.jpg" alt="中国4.0 暴発する中華帝国 *2" />

中国4.0 暴発する中華帝国 *3

 
自滅する中国

自滅する中国

 
クラウゼヴィッツの「正しい読み方」 ー『戦争論』入門ー

クラウゼヴィッツの「正しい読み方」 ー『戦争論』入門ー

  • 作者: ベアトリス・ホイザー,奥山真司,中谷寛士
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

*1:文春新書

*2:文春新書

*3:文春新書