フレブル君日記

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「国家のお金の発行と国債発行の仕組み」From 三橋貴明@ブログ

 わたくしが大好きな日本銀行「資金循環統計」 がアップデートされました。

 というわけで、皆さんも興味があるであろう政府の
国際所有者別シェアをグラフ化してみましょう(2016年9月末速報値)。

【2016年9月末時点(速報値)日本国債の所有者別内訳(総額は971兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#JBD16Sep

 色々と悩んだのですが、国債所有者別内訳は今後、
上記のフォーマットで更新していくことに致します。

 「証券投資信託」と「その他金融仲介機関」を
「その他金融機関」としてまとめ、「一般政府・
地方公共団体社会保障基金」は「社会保障基金
と表現しています。

 さらに、「家計」と「NPO」は
「家計・NPO」としてまとめます。
中央銀行」は「日本銀行」として表現します。

 理由は、上記が一番作業が楽なうえに、意外と見やすいためです。

 ということで、日本銀行国債所有のシェアは、
16年9月末速報値段階で36.75%でした。
四半期で、1.8%ほど増えているため、
直近では38%前後といったところでしょうか。

 預金取扱機関(銀行など)の国債残高は、
215兆円となっており、間もなく200兆円を
切ってくるでしょう(日銀が現行の量的緩和ペースを続ける限り)。

 日本銀行量的緩和政策ということで、
国内の預金取扱機関から(主に)国債を買い取り、
各銀行が日銀に所有する当座預金残高を増やす形で
「お金の発行」を続けています。
2016年9月末時点で、日銀当座預金残高
約312兆円と、とんでもない金額に膨れ上がっています。

 本日は、上記に日銀当座預金残高と、
国債発行・財政出動の関係についてお勉強です。

 中野剛志氏「富国と強兵 」P102で、。
建部正義の引用という形で、銀行の国債購入や
政府の財政出動の際の「プロセス」が載っています。

 まず、日銀当座預金は、国内の銀行などの金融機関に加え、
「政府」も持っているということをご理解ください。
逆に、非金融法人企業や家計は持っていません。
というわけで、銀行は日銀当座預金を我々一般企業や
国民に「貸し付ける」ことはできません。

 但し、政府には貸し付ける(=国債を購入する)ことが
可能なのです。(以下、※は三橋の注釈)
 
(1) 銀行が国債を購入すると、銀行保有の
日銀当座預金は、政府の日銀当座預金勘定に振り替えられる
※政府は国債を発行し、現金紙幣ではなく、
日銀当座預金残高を「借りる」という話です。

(2) 政府は財政出動の際に、請負企業に政府小切手で代金を支払う
※政府は日銀当座預金を担保に、「政府小切手」を発行するのです。

(3)企業は政府小切手を銀行に持ち込み、「政府からの取り立て」を要求する

(4)政府小切手を受け取った銀行は、相当する金額を
企業の預金口座に記帳すると同時に、代金の取り立てを日銀に依頼
※この時点で新たな民間預金が増え、マネーストックが拡大します。

(5)日銀は、「政府保有の日銀当座預金」の該当額を、
「銀行保有の日銀当座預金」に振り替える

(6)銀行は、戻ってきた日銀当座預金で、再び国債を購入することができる

『(「富国と強兵」から引用)このように、(1)から(6)までの
過程自体は、少なくとも論理的には無限に続き得る。そして、
この過程が示すように、政府の支出は、民間企業の貯蓄に
なっている。政府の財政赤字は民間貯蓄によってファイナンス
されるのではない。その反対に、政府の財政赤字が民間貯蓄を
生み出しているのである。したがって、「政府の赤字がそれと
同額の民間部門の貯蓄を創造するのであるから、政府が貯蓄の
供給不足に直面することなどあり得ない。」』

 もちろん、マネーストック(預金)を拡大するのは、
政府の国債発行&支出には限りません。銀行と民間の
お金の貸し借りも、預金を創出します。いずれにせよ、
預金を創るのは銀行と、政府もしくは企業・家計との
お金の貸し借り、すなわち「信用創造」であり、日銀の
マネタリーベース拡大(=日銀当座預金の積み増し)ではありません。

 ところで、上記の信用創造のプロセスを「完全放置」
してしまうと、銀行預金が論理的には無限に拡大し、
供給能力が不足し、インフレ率が過度に上がっていく
ことになります。というわけで、銀行準備制度がありまして、
「受け入れている預金等の一定比率(これを「準備率」
といいます)以上の金額を日本銀行に預け入れること」を
義務付ける」(日銀のHPから)
 と、なっているわけです。

 もっとも、現在は日銀当座預金が300兆円を超える
事態に至っているため、最も高い準備率(2兆5000億円超
のその他の預金 1.3%)で計算しても、論理的に
国内銀行は少なくとも「2.4京円超」の預金を
創出しても構わないという話になってしまいます。
ところが、実際のMSは950兆円です。

 理由は、説明する必要ないですね。

 いかがでしたでしょうか。
 断言しますが、この手の「国家のお金の発行と国債発行の仕組み」に
ついて理解していない政治家がほとんどだと思います。というわけで、
皆様も「国家」や「国債」「お金」「預金」などについて正しい知識を
身に着け、是非とも政治家を啓蒙していって頂ければと存じます。

 

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