【RPE】★安倍総理がトランプに会う際の注意点

RPE Journal==============================================

 

       ロシア政治経済ジャーナル No.1463


               2016/11/15

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安倍総理、はやくも17日に、トランプさんと会うそうです。

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


今回は、読者の皆さんにお願いがあります。

今年も、「日本一のメルマガ」を決める「まぐまぐ大賞」
の季節がやってきました。

皆さんの中で、「ロシア政治経済ジャーナルは、役に立
っている!」と思われる方。

もしよろしければ、一票投じていただけないでしょうか?

投票は、以下のページからできます。
↓ 
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「心から役にたっている!」と思う方だけ、

よろしくお願いいたします! 

北野幸伯


では、本題。

世界の報道を見ると、「トランプ・ショック」はつづいている
ようです。

日本だけでなく、世界中の人がびっくりしたのですね。


しかし、RPEの読者さんだけは、驚かなかったようです。

トランプ当選後たくさんメールをいただきましたが、たとえば
Yさんは、


<北野様

いつもRPEで有益な情報をありがとうございます!

遂にアメリカ大統領選挙はトランプさんが勝ちましたね!

私の周りでも、「驚いた・・・!」「これからどうなるの?」とビ
ックリしたり悲観したりしている声がありました。

でも、私はそんなに驚きませんでした。

なぜなら、RPEを読んでいたからです。

RPEのおかげで、以前よりだいぶ大きな視点で冷静に物事を見られ
るようになったことを実感できました。

感謝です!>


こういうメールをいただくと、「配信しててよかったな」と感じ
ます。

さて、「ヒラリーが必ず勝つ!」と信じていた日本政府。

完全に読み間違えていた。

しかし、安倍総理は、即座に動きはじめました。

トランプさんに電話をし、アポをとったのです。


<安倍首相とトランプ氏、17日に会談へ 電話会談で合意
トランプ氏「日米の特別な関係をさらに強化したい」

産経新聞 11/10(木) 9:04配信

 安倍晋三首相は10日午前、米大統領選に勝利した共和党のドナ
ルド・トランプ氏と電話会談を行い、17日に米ニューヨークで会
談する方向で調整を進めることで一致した。

早期にトランプ氏と会談し、日米関係の重要性を確認するとともに、
日米が直面する課題などについて認識の共有を図る考えだ。>


速いですね~。

すばらしい!

17日に会談だそうです。

電話では、どんな話をしたのでしょうか?

 

<電話会談の冒頭、安倍首相は「トランプ次期大統領の類いまれな
リーダーシップにより、米国がより一層偉大な国になることを確信
する」と祝意を伝えた。

これに対しトランプ氏は「安倍首相の今日までの業績について高く
評価している。今後数年間、共に働くことを楽しみにしている。日
米関係は卓越したパートナーシップであり、この特別な関係をさら
に強化していきたい」と述べた。>

 

安倍総理「米国がより一層偉大な国になることを確信する」

トランプさん「日米関係は卓越したパートナーシップであり、この
特別な関係をさらに強化していきたい」


トランプさん、選挙戦中は、「在日米軍を撤退させる!」「日本が
核保有するのは悪くない!」

朝鮮戦争が起こってもアメリカには関係ない、日本と韓国には、
グッドラックだ!」

などと過激な発言を繰り返していました。

しかし、電話会談では、穏やかだったようです。

というわけで、17日、安倍総理とトランプさんの会談が行われます。

今回は、この会談を成功させるためのポイントについて考えてみま
しょう。

 

安倍総理がトランプに与えられる最大のものは?

 

トランプさんは、世界最強国家アメリカの大統領になることが
決まりました。

大富豪で、奥さんは美人で、子沢山である。

すべてを手に入れたかにみえるトランプさんですが、実をいう
と「得ることができていないもの」がひとつあります。

それはなんでしょうか?


尊敬  です。


いえ、トランプさんに投票した人たちは、もちろん彼を尊敬し
ているでしょう。

しかし、ヒラリー支持者と、アメリカ、世界の支配層からまっ
たく尊敬されていない。

昨日、ロシアのニュースで、「アメリカと欧州のエリートがど
れだけトランプをバカにしていたのか?」

という話をしていました。

ハリウッドスターの多くは、「トランプが大統領になったら、
外国に逃げる」と話していた。

欧州のリーダーたちも、露骨にトランプさんをバカにしていまし
た。

フランスのオランド大統領は、「トランプを見ると吐き気がする
!」といっていた。


そう、トランプは世界一の地位も大金も、きれいな奥さんも、健
康な子供たちも得たが、

エリートからの「尊敬」は得ていない。

日本政府は、たしかにヒラリー勝利を確信し、トランプさんを無
視していました。

しかし、少なくとも欧州のリーダーのような批判、悪口はいって
いません。

だから、安倍総理は、トランプさんがもっとも必要としているも
のを与えることができる。


それは、尊敬 です。


別に、特別何かする必要はない。

会ったら、ギュッと強く握手して、


「おめでとうございます!

やりましたね!

一人でアメリカと世界をひっくり返しましたね!

驚きました!」


といって、ニッコリ微笑めばいい。

もちろん、何か彼が喜ぶプレゼントを贈ってもよいでしょう。


アメリカの新大統領に対し、敬意をもって接することが一番大事
です。

それは、「卑屈な態度で」というのとは全然違います。

 

安倍総理は、トランプのスローガンを支持するべき

 

トランプさんのスローガンは、

「偉大なアメリカをとりもどす!」

(Make America Great Again!)


です。

安倍総理は、トランプさんに会ったら、


「『偉大なアメリカをとりもどす』

というあなたの目標を絶対的に支持します。

いえ、アメリカは、すでに偉大ですが、さらに偉大に
なることを完全に支持します」


といいましょう。

すると、トランプさんは、「なぜ日本は、アメリカが偉大であ
ることを支持するんだ?」と聞くかもしれません。


そう聞かれたら、「日本は戦後、民主主義、資本主義の下で発
展してきました。

これは、アメリカが世界にひろげた体制です。

もしアメリカが弱くなれば、独裁や共産主義が世界を覆うでし
ょう。

そうなったら日本も困ります。

私たちにとっては、アメリカが強く、繁栄していることが重要
なのです」


ときっちり論理的に説明しましょう。

論理的に説明できなければ、「ただのお世辞」になってしまい
ます。

 

安倍総理は、「日米安保不平等論=正論だ」といおう

 

トランプさんは、こんなことをいっています。


「もし日本が攻撃されたら私たちは直ちに救援に行かなくては
ならない。

もし私たちが攻撃を受けたら日本は私たちを助けなくてもいい。

この取引は公平なのか?」


これは、まったく公平ではありません。

日本が攻撃されたら、アメリカ兵は、日本のために死ななけれ
ばならない。

しかし、アメリカが攻撃されたら、日本兵は、決してアメリカ
のために死なないのです。

なぜかというと、「日本は平和主義だから」。


常識的に考えると、これはとてもおかしく、「日本は世界でもっ
とも狡猾な国」といわれても仕方ありません。

(もちろん、もともとは「日本が二度と反抗しないように」と、
アメリカが現体制をつくったのですが・・・。)


それで総理は、トランプさんに、


日米安保が不平等だというあなたの主張はもっともだ。

日米安保が片務から双務になるように、努力している。

これからも努力をつづける」


といい、聞かれたら、「安保法制」「集団自衛権行使容認」などに
ついて、説明するべきです。

 

▼これはしてはいけない

 

次に、会談時に「これはしてはいけない」という注意点について。


1、TPP問題で、トランプさんに説教してしまう

安倍総理はTPP支持。

トランプさんは、TPP反対。

それで、安倍総理は、「TPPの意義」などを説教したい誘惑に
かられるかもしれません。

しかし、これはやめておいたほうがいいです。

「安倍は、上から目線のイヤな奴!」

と思われることでしょう。

政策議論は、むこうから聞かれるまでするべきではありません。


時事通信11月11日には、こうあります。


<トランプ氏は環太平洋連携協定(TPP)離脱を掲げているが、
世耕弘成経済産業相は「TPPを日米が主導してアジア太平洋に
広げていくことは非常に重要な取り組みだと、トランプ氏をし
っかり説得していくことが重要だ」と指摘。>


「しっかり説得」しないでほしいです。

これ、むこうの立場にたってみましょう。

日本は、トランプさんが大統領に就任する前から、

 

「公約を破りやがれ!」

 

と説得するというのです。

トランプさんからすれば、こんなうざったいことはなく、

「日本は、俺が大統領になるまえに、アメリカ国民を裏切れと
いうのか!?」

となるでしょう。

 

2、中国の悪口をいってしまう

私はダイヤモンド・オンラインの記事に、こう書きました。


<「私も日本国民も、米国が世界のリーダーで居続けることを望
んでいます」と言おう。

トランプは、きっと喜ぶだろう。

続いて、「しかし国際社会は、米国が世界のリーダーで居続ける
とは思っていないようです。

ほとんどの米国の同盟国が警告を無視して、中国主導のAIIB
に参加したことからも、それは分かります。

世界は、中国が世界のリーダーになると思っているみたいですね」

と言う。

すると、トランプの負けず嫌いに火がつき、「どうすれば中国に
勝てるだろうか?」と考えはじめることだろう。>


これですが、中国の件については、初回からいうのははやすぎま
すね。

中国に関して、どうもトランプさん自身も迷っているようです。

ですから、日本が露骨に「反中」を煽ると逆効果です。

もちろん聞かれたら、「尖閣問題」「領海、領空侵犯問題」など
を話すのはよいでしょう。

しかし、中国の悪口をいうのはやめましょう。

 

3、すぐに仕事の話をしてしまう

トランプさん、過去に

「日本のビジネスマンはやってきて、

How are you doing?

ともいわずに金儲けの話をしはじめた」


というような話をしていました。

運が悪かったというか。


「いきなり本題」というのは、誰でも嫌なものです。


そういえば、オバマさんは「仕事の話しかしない」ということで、

はじめ安倍総理はびっくりしたそうです。


ポイントを整理しましょう。

1、尊敬を示すこと

2、「偉大なアメリカをとりもどす」という目標への支持を伝え
ること

3、「日米安保を平等にする努力をつづけていく」意志を伝える
こと


してはいけないことは、

 

1、TPP問題でトランプさんに説教してしまうこと。

2、中国を批判してしまうこと。

3、すぐ本題にはいってしまうこと。


というわけで、安倍総理は、是非トランプ次期大統領の親友に
なっていただきたいと思います。

会談大成功を祈ります。

 

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