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フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

【RPE】★安倍、ドゥテルテ会談の結果は?

RPE Journal==============================================

 

       ロシア政治経済ジャーナル No.1455


               2016/10/28

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安倍総理とドゥテルテ大統領が会談しました。

結果は、どうだったのでしょうか?


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


皆さんご存知のように、安倍総理は26日、フィリピンのドゥテ
ルテ大統領と会談しました。

結果はどうだったのでしょうか?

 

▼総理、中国ーフィリピンの関係改善を「歓迎」する

 

10月26日付時事通信から。

 

<首相は、南シナ海問題について「地域の平和と安定に直結する
国際社会全体の関心事項だ」と指摘。

先に大統領が訪中したことに触れ、「中国との関係の改善に尽力
していることを歓迎する」と伝えた。>

 

「中国との関係の改善に尽力していることを歓迎する」


安倍総理、立派です。

中韓の政府高官は、外国の首脳に会うと、必ず日本の悪口をい
いますが、

安倍総理、そういう大人気ないことはしませんでした。


日本がフィリピンに対し、「中国との関係改善を歓迎する」と
いうのは、いくつかの面で非常に重要です。


一つは、アメリカの「バックパッシング」(責任転嫁)の罠に
はまらないため。

リアリストの大家ミアシャイマーさんは、


「大国は、バックパッシングを好む傾向がある。

なぜならその方が安上がりだからだ」


と断言しています。

つまり、アメリカは中国をつぶしたいが、自分で手を汚すのは
嫌だ。

だから、「日本と中国を戦わせるのが安上がりでいい」となる
かもしれない。

ですから日本は、中国をアメリカ以上に挑発してはいけないの
です。


第2に、ドゥテルテさんを苦しい立場に追いやらないため。

ドゥテルテさんは、「チャイナマネー」が欲しくて、中国に接
近している。

もし安倍さんが、「一緒に中国を批判しましょう!」と誘導し、
ドゥテルテさんが一緒に中国批判をすれば?

習近平が激怒してチャイナマネーがこなくなるかもしれない。

チャイナマネーがこなくなれば、「なんのために俺は、オバマ
を『売春婦の子!』」と罵倒したのか?ということになります。


第3に、安倍さんがドゥテルテさんに中国批判を展開すれば、

習近平も反撃にでるでしょう。

アメリカは喜ぶかもしれませんが、日本は困ります。

というわけで、


「中国との関係の改善に尽力していることを歓迎する」


という言葉は、とても賢明でした。

 

南シナ海の教訓

 

ドゥテルテさんは、中国との争いの元になっている南シナ海問題
について、こんなことをいいました。

 

<大統領は「南シナ海で紛争があれば、平和裏に解決する価値観
を基に、(日本と)緊密に協力する」と表明。

「私は日本側に立つつもりだ。法の支配に向かって努力すること
が大切だ」と強調した。

先に訪中した際、大統領は中国の主張を退けた仲裁裁判所判決を
事実上、棚上げする姿勢を示していた。

26日は「判決の範囲外の立場を取ることはできない」と述べ、当
事者に対して拘束力を持つとの認識を示した。>

 

南シナ海問題。

中国とは「棚上げ」で合意したが、紛争になれば「仲裁裁判所の
判決を根拠に戦う」ということですね。

当然です。

しかし、「棚上げ期間」に中国は、ますます実効支配を強化して
いく。

フィリピンと中国で、領有権問題がある地域、

仲裁裁判所は、「中国の主張には根拠がなく、フィリピンの方が
正しい」という判決。

しかし、「事実上」中国領になってしまいそうです。


このことは、日本に大きな教訓を与えています。

北方領土竹島もそうですが、「実効支配」を許したら、後が
本当に厳しい。

交渉しても帰ってくる可能性はほとんどなく、取り戻したけれ
ば戦争するしかない。

だから日本は、尖閣諸島防衛についても、真剣に決意を固める
べきです。

中国が尖閣に上陸したら、即日排除しなければなりません。


「困った困った。

まずアメリカに相談しよう。

次に国連安保理で相談して」


などといってたら、アメリカ軍でも「もうムリです」となるでし
ょう。

(たとえば、アメリカは、ウクライナクリミア半島を取り戻す
ために、ロシア軍と戦う気はない。)

 

▼日本は、アメリカとフィリピンの仲をとりもつ

 

皆さんご存知のように、アメリカとフィリピンの関係は、相当
悪化しています。

ドゥテルテさんは、オバマさんのことを、「売春婦の子」とよ
んでいる。

そして、「アメリカとの軍事演習は今年が最後だ!」という。

訪中時には、「グッバイ、アメリカ!」と宣言し、習近平を大
喜びさせました。

これは、中国と問題を抱える日本にとって、極めてマズイ事態。

今回の首脳会談では、どうだったのでしょうか?

 

<首相は、大統領が先に「決別した」と言及した対米関係につい
て説明を求めた。

これに対し、大統領は「米国と外交関係を断ち切るわけではない」
と釈明した。

両首脳は、南シナ海問題の平和的解決や日米、米比同盟の重要性
を確認する共同声明に署名した。>

 

「日米、【米比同盟】の重要性を確認する共同声明に署名した。」


これも重要ですね。

ドゥテルテさん、オバマさんのことは嫌いでも、安倍総理が間に
入ったので、こんな共同声明になったのでしょう。

 

▼総理は、ちゃっかりフィリピンの防衛力を強化する

 

さて、フィリピンと中国の和解を歓迎するといった安倍総理

その一方で、ちゃっかりフィリピンの防衛力を強化しました。

 

<安全保障分野では、フィリピンの海上対処能力を向上させる
ため、大型巡視船2隻の供与や、海上自衛隊練習機「TC90」の
貸与で合意。>(同上)

 

これは、中国の脅威に怯えるフィリピンがもっとも欲しいもの
でしょう。

 

安倍、ドゥテルテ会談の結果は、こうなりました。


<大統領は首相のフィリピン訪問を招請し、首相も快諾した。>

(同上)


というわけで、首脳会談は成功だったようです。

安倍総理オバマさんを見習って、ドゥテルテさんを冷遇する
こともできました。

しかし、アメリカとは正反対で、ドゥテルテさんを引き寄せた。

日本外交も、少しずつ自立にむかっている気すらします。

 

安倍でもわかる政治思想入門

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