【RPE】★戦略と倫理~日本はドゥテルテ大統領を大切にするべきか?

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       ロシア政治経済ジャーナル No.1455


               2016/10/27

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日本は、「麻薬撲滅戦争」で3700人殺したといわれるドゥテ
ルテさんを大切にするべきなのでしょうか?


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


フィリピンのドゥテルテ大統領、訪日しているのですね。

この方、「麻薬撲滅戦争」で、すでに3700人を殺したといわれて
います。

オバマさんは、彼を嫌悪しているそうで、アメリカとフィリピン
の関係は、非常に悪化しています。

これをもって、


「さすがアメリカは人権を重視する国だ!

やはり日本は、人権軽視でダメだ!」


という意見もあるそうです。

日本は、麻薬売買に絡んでいたとはいえ、裁判せずにいきなり殺
してしまうような大統領を大切にすべきなのでしょうか?

 

▼「アメリカ=人権重視」は、幻想

 

オバマさんは、ドゥテルテさんと仲が悪い。

これをもって「アメリカは、人権重視の国だ!」。

この結論は、少々ナイーブすぎます。

振り返ってみましょう。

アメリカは第2次大戦中、日本、ドイツを倒すために、

自国民を大量虐殺した男スターリンソ連と組みました。


戦争が終わると、今度はソ連に対抗するために、かつての敵日本、
ドイツ(西ドイツ)を自陣営に引き入れた。

それでもソ連に押され気味だったので、1970年代初め、今度は毛
沢東の中国と組んだ。

毛沢東は、スターリン同様、自国民を大量虐殺したことで知られ
ています。


アメリカは、スターリン毛沢東という、人類史に残る大量虐殺
者と組んだ過去がある。

 

▼アメリカは、反独裁???

 

「アメリカは自由と民主主義を重んじる国で、反独裁だ!」


といわれます。

確かに、アメリカは、イラクの独裁者フセインリビアの独裁者
カダフィを殺しました。

今も、シリアの独裁者アサド政権を崩壊させるために、「反アサ
ド派」への支援をつづけている。


しかし、アメリカがいつも「反独裁」かというとそんなことはあ
りません。

既述のように、アメリカは、超独裁者であるスターリン毛沢東
と結託していた。

今も、アメリカの「ダブルスタンダード」は変わっていません。

例えばアメリカは、「イランは独裁だからダメだ!」といいます。

一方で、絶対君主制独裁国家サウジアラビアを保護している。


結局アメリカにとっては、「独裁か?民主主義か?」より、

「親米か?反米か?」のほうが重要なのです。


さらに「アメリカの戦略に合致するか、しないか?」も大事。

そういう意味で、「戦略的重要国家」フィリピンのドゥテルテ大
統領を遠ざけるオバマさんの「潔癖」な言動は、

「アメリカの国益を損なっている」といえるでしょう。

(もちろん、「オバマは売春婦の子」というドゥテルテさんに問
題があることは、いうまでもありませんが。)


(ちなみに、先日来日し安倍総理に会った大戦略家ルトワックさ
んは、

BSフジの番組で、オバマのフィリピン政策を批判していました。)

 

▼国民は、「内に厳しく、外に優しく」で

 

日本は、政治家のモラルについて、非常に厳しい国です。

不倫や金銭問題で失脚する人が後を絶ちません。

それは、とてもよいことだろうと思います。

 

しかし、国内と同じ基準で外国と接すれば、つきあえる国
がなくなってしまいます。

日本国民から見ると、


・いまやセクハラ大王になってしまったトランプさん

・中国や諸外国から大金を受け取っていたヒラリーさん


は、倫理的に「どっちもダメでしょ!」と思います。

しかし、アメリカとの関係が切れれば、中国が尖閣を奪いにくる。

ドゥテルテさんのフィリピンも、対中国で大事。


そう考えると、相手国の倫理面より、戦略面を優先して、つきあ
い方を決める必要があることに気がつきます。

悲しいことではありますが、日本を守るために仕方ないですね。

 

ブラックバイスクル

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トランプ

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