フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

【RPE】★労働時間短縮は、日本の【国益】?

RPE Journal==============================================

 

       ロシア政治経済ジャーナル No.1452


               2016/10/19

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過労自殺が話題、問題になっています。

日本は、労働時間を短くするべきなのでしょうか?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


私は、「日本は世界一すばらしい国」と確信しています。

モスクワに26年住み、いろいろな外国を見た結果の確信です。

しかし、そんな日本にも、「これはちょっと」と思うことが
あります。

それが、「働きすぎ」。

いえ、「働かせすぎ」。

なぜそう思うかというと、「働かせすぎ」が日本の国益に大
きな打撃を与えているから。

なぜ?

 

▼8時間労働の歴史

 

皆さんも聞いたことがあると思いますが。

19世紀の欧州では、労働環境がひどかった。


労働時間は、1日14時間だったともいわれています。

女性、子供も容赦なく働かせていた。

朝の8時にスタートすると、夜10時まで。

朝9時にスタートすると、夜11時まで。


「なんだ。

俺もそのくらい働いているぞ!」


という読者さんも、結構いるかもしれません。

いずれにしても、「これはひどい!」ということで、「労働時間
を短くしよう」という動きが起こってきます。

イギリスでは1847年、「工場法」が制定されました。

年少者や女性の労働時間は10時間と決められます。


労働時間の短縮や労働条件の改善を目指す国際機関

国際労働機関(ILO)は、1919年に設立されました。


ILOは当初、「労働時間1日8時間、週48時間」の世界実現
を目指していました。

つまり、当時は「週休1日制」だった。

ところが後に、「1日8時間、週40時間」を目指すようになりま
す。

週休2日をグローバルスタンダードにしよう」と。


このように、「労働時間を短くする世界的取り組み」には、すで
に100年ちかい歴史があるのです。

 

▼過酷な労働条件が、革命を起こす

 

19世紀、欧州の労働者は、過酷な条件下で働かされていた。

その怒りを原動力に、パワーを得た思想があります。

それが、共産主義

共産主義の話をすれば一冊本を書けますが、簡単にいえば、


「労働者が資本家を打倒し、皆平等の共産世界を築くのは、歴
史の必然だ!」


という思想。

虐げられている労働者が、いじめている資本家を打倒すること
は、正当化される。

それで、アッという間に世界に広がってしまった。

1917年、ロシア革命

世界ではじめて、共産主義をベースにした国家ソ連が誕生します。

(正式な建国は、1922年。)

共産国家はその後、東欧、中国、北朝鮮ベトナムラオス、カ
ンボジア、キューバ等々、全世界に勢力を拡大していきます。

もとをただせば、会社が「過酷な労働を強いたこと」が共産主義
陣営の誕生と成長の理由なのです。

だから反共産主義の人こそ、「8時間労働の厳守」を主張すべき
です。


さて、「資本家皆殺し」を掲げる共産国家の誕生は、資本主義国
である面肯定的な反応を引き起こしました。

資本主義諸国の政府は、「俺達の国で共産革命を起こされたらた
まらん!」と考え、

労働者に優しくなっていった。

 

長時間労働で経済は成長しない

 

1990年代はじめ、フランスの女性首相クレッソンさんは、

「日本人はアリのように働く」

と発言しました。

当時日本は世界一豊かな国で、心に余裕があった。

クレッソンさんの発言について、逆に「フランスは働かないキ
リギリスだから経済が発展しないのだよ」と笑うこともできた。

ところが日本はその後、「暗黒の20年」に突入。

20年間、GDPがまったく増えないという、異常事態になった。

この20年、日本人は働かなかったのでしょうか?

いえ、みんな一所懸命働いています。

しかし、1990年前とここ20年の違いは、


「昔はアリのように働けば確実に豊かになったが、

今はアリのように働いても豊かにならない」


ということなのです。

(もちろん「全体」の話で、実際には働けば働くほど豊かにな
る人もたくさんいます。)


ちなみに一人当たりGDP世界一は、ルクセンブルグです。

2015年、10万2000ドル。

(1ドル100円換算で1020万円!)


同年日本は、世界26位で3万2485ドル。

(1ドル100円換算で、324万円)


つまり、ルクセンブルグは、日本より3倍以上豊かである。

では、ルクセンブルグ人は、日本人の3倍仕事をしているので
しょうか?


OECDのデータによるとルクセンブルグ人の平均年間労働時間
は2012年、1509時間。

日本は同年、1745時間でした。


つまりルクセンブルグ人は、日本人より年間236時間も短く働
き、3倍の収入を得ている!

236時間を法定労働時間8時間で割ると29日になります。

ルクセンブルグ人は、日本人より1か月短く働いて、平均年収
は3倍!


「経済成長のためには、もっともっと働かなければならない」

というのは、完全に「幻想」であることがわかるでしょう。


ITmedia ビジネスオンライン10月18日付に、英エコノミスト
からの引用がありました。

 

<「(日本の)超過労働は経済にあまり恩恵をもたらしていない。

なぜなら、要領の悪い労働文化と、進まないテクノロジー利用の
おかげもあって、日本は富裕国からなるOECD経済協力開発機構
諸国の中でも、最も生産性の悪い経済のひとつであり、日本が1時
間で生み出すGDPはたったの39ドルで、米国は62ドルである。

つまり、労働者が燃え尽きたり、時に過労死するのは、悲劇であ
るのと同時に無意味なのだ」>

 

長時間労働は、「悲劇であるのと同時に無意味」だそうです。

残念ながら、これが現実。

日本経済が26年も停滞しているのには、それなりの理由があるの
ですね。

 

長時間労働は、国益を破壊する

 

日本最大の問題はなんでしょうか?

私だったら、「日本には尖閣ばかりか沖縄の領有権もない!!!」
と宣言している「中国が最大の問題です」と答えるでしょう。

その次は、「少子化問題」でしょうか。

日本の出生率は2015年、1.46でした。

深刻です。

しかし、「既婚女性の出生率」は、なんと1.96なのです。

つまり日本人は、結婚したら、たいてい2人子供を産む。

要するに、「少子化問題」の根本は、「未婚化」「晩婚化」なの
です。

なぜ、「未婚化」「晩婚化」なのでしょうか?


もちろん、「私は結婚したくない」という人もいるでしょうし、
それは個人の自由です。

しかし、「結婚したいのにできない人」もたくさんいる。

なぜ?

私は、「金の問題」「時間の問題」だと思います。

「金の問題」というのは、「金がなくて結婚できない」。


もう一つは「時間の問題」。

「時間がなくて彼氏、彼女を見つけることができない」


社会人で時間がないのは、「働いているから」でしょう?

長時間労働の弊害は、


1、個人の時間が少ないので、彼氏、彼女を見つけるのが困難

2、つきあいはじめても、デートの時間があまりないので、結
婚にいたるのが困難

3、結婚しても時間がないので、なかなか子作りができない

4、子供は生まれたが、長時間労働で、男性(あるいは男女共)
が子育てに関われない

5、結果、しばしば女性が追いつめられ、幼児を虐待したり、
時には殺すケースも出てくる


こんな惨状なのに政府は、「外国人家政婦を雇って、日本人のお
母さんにはもっと働いてもらおう!」などと主張しています。

どこまで残酷になれるのでしょうか?

「子供を外国人に預けて、女性はもっと働きやがれ!」

それが、「女性の人権向上だ!」というのです。


ところで、「お父さん、お母さんともっと一緒にいたい!」とい

「子供の人権」は完全無視なのでしょうか?

 


長時間労働を解消する方法

 

これは簡単です。

政府が、「1日8時間、週40時間労働を徹底せよ!」と決意を
しめせばいい。

罰則を決めて、厳格に実行し、「残業させると会社が損する
状況」をつくりだせばいい。


クールビズ」の成功をみればわかります。

日本人は、政府のいうことをよく聞くのです。

私が08年の夏に一時帰国した時、東京は、黒いスーツのビジ
ネスマンであふれていました。

しかし今は、夏にスーツの上着を着ている人を見つけるのが
難しくなっています。

クールビズ運動」10年で、完璧に変わりました。

この運動をはじめたのは、東京都知事になった小池百合子
ん(当時環境大臣)でした。

小池さん、都知事に就任するとすぐ、「労働時間短縮」に乗
り出しました。

立派です。


ですから、日本政府が、「8時間労働徹底!」と繰り返せば、
10年で全然変わることでしょう。

安倍総理は、「私の任期中に、8時間労働が当たり前の国にす
る!」と是非決意して欲しいと思います

ブラック企業」が栄えている国は、「美しくない国」。

総理が目指す「美しい国」を是非取り戻してください。

 

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