読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

なかったことになったあの戦争(アメリカ大統領選挙テレビ討論会)

┠──────────────────────────────────
┃日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 ┃ http://www.realist.jp
┠──────────────────────────────────
├ 2016年9月30日 なかったことになったあの戦争(アメリカ大統領選挙テレビ討論会)
──────────────────────────────────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□

※今週(27日)の生放送より、アメリカ大統領選挙候補者のテレビ討論会についての
 トピックを無料公開致しました。ぜひ、御覧ください。

▼【速報】トランプ 対 ヒラリー(米大統領選挙候補者 第1回テレビ討論会)
|TSJ / 奥山真司の「アメ通LIVE!」

https://youtu.be/xNQPJjWIpaA (Youtube

http://www.nicovideo.jp/watch/1475030848 (ニコニコ動画

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□

おくやまです。

先日の放送でも触れましたが、
今回の大統領選のキャンペーンを通じて
全く話題になっておらず、
むしろ避けられているトピックがあることを紹介しました。

※【Youtube無料動画】
▼無かったことになったアフガン戦争/「Credibility」
|TSJ / 奥山真司の「アメ通LIVE!」
https://youtu.be/-evHbKwfzNw

それは、もうすぐ開始から15年を迎える
アフガニスタンでの戦争です。

NYタイムズ紙の記事によれば、
民主党のヒラリーも共和党のトランプ両候補
全く触れない理由は、どちらが触れても損するだけだから、
というもの。

▼15 Years Into Afghan War,
   Americans Would Rather Not Talk About It
http://www.nytimes.com/2016/09/21/world/asia/afghanistan-war-15-years-americans.html

たしかにアフガニスタンでの戦争というのは、
開始したのはブッシュ政権時代の共和党でしたが、
それを継続させたのは民主党オバマ政権。

少し前に起こったNYでの爆弾事件で捕まった犯人が
アフガニスタン出身のイスラム系の人間であったことを考えれば、
彼らがその話題にほとんど触れなかったのは実に奇妙です。

この記事では、それほどまでに
アフガニスタンでの「失敗」が、
アメリカのリーダー層に重い影を落としているという、
その暗い雰囲気が伝わってきますし、
それをあえて見ないようにしている
アメリカのトップの人間たちの哀しさが伝わってきます。

「じゃあアメリカはアフガニスタンから
 あっさり撤退すればいいじゃないか」

とお感じになられる方もいるでしょう。

たしかにその通りです。

ところがアメリカのような大国の、
とくにエリート層の人間というのは、
自分たちの戦略が完全に破綻している
ということを知りながら、
それでもやめられない事情があるわけです。

その核心にあるのが、
「信頼性」(クレディビリティ)の問題。

戦略系やリアリスト系の文献などで
以前から指摘されていることですが、
アメリカのような大国のリーダーたちは、
すでに自分たちの戦略が破綻していても、

「それ以上失敗したら、アメリカの評判や信頼性に傷がつく」

と言って、その解決する望みのないプロジェクトを
ダラダラと続けてしまうということです。

これに似たような前例はいくらでもあります。

たとえば朝鮮戦争が勃発した時(1950年)ですが、
この時には中央情報局(CIA)が
当時のアイゼンハワー政権の政権幹部たちに対して、

「アジアで共産主義北朝鮮)の南下を許してしまったら、
ソ連に対峙している欧州のNATOの同盟国たちにも動揺が起こる」

「だからこそアメリカはここで踏みとどまり、
 同盟国の信頼を維持しなければならない」

という内容のメモを送り、
ダレス国務長官は朝鮮介入を決心しております。

要するにここで決定的な動機になったのが、
アメリカの「評判・信頼性」というもの。

ところが
実際にアメリカが朝鮮戦争を開始していたときに、
当の「アメリカの信頼性」を感じていたはずの欧州側の人間が
どう思っていたのかというと、

「アメリカはアホか、極東の変なところで戦争してないで、
 欧州正面のソ連の脅威にしっかり対抗してくれ!」

と感じていたということが、
当時の政府高官のメモなどから
明らかになっております。

つまり欧州側は
アメリカが極東で共産主義の南下を防いで
信頼性や評判を保つかどうかは全く意に介しておらず、
ひたすら自分たちの安全だけを考えていた、
ということなのです。

これはルトワック的にいえば、
アメリカのエリートたち
(CIAから政府高官、大統領まで)は、
「信頼や評判を守るアメリカ」という存在を
「発明していた」
ということになります。

もちろん朝鮮戦争がアメリカにとって
失敗だったかどうかは別問題ですが、
ここで私が指摘したいのは、
今回のアフガニスタン戦争の場合にも
アメリカのエリート層の中に同じような心理状態が働いている、
ということ。

なぜなら冒頭に紹介した記事にもあるように、
アメリカは今後、アフガニスタンの崩壊を防ぐために、
毎年定期的に1~2兆円の支出を
続けなければならないわけです。

しかもこれは、
ただの「現状維持だけのための費用」ですから、
どう考えても米軍や政府内での士気は上がりません。

結果として、現在の大統領選挙でも
アフガニスタンの戦争は「なかったこと」
にしようという傾向が強くなるのは当然でしょう。

そういった意味で、
われわれが気をつけなければならないのは、
このような、
「失敗したという評判を気にしてダラダラ続ける」
という悪癖であり、これは(エリート)集団だけではなく、
個人にもすべからく当てはまるという点です。

戦略の失敗は、われわれの怠慢な気持ちや
余計な「発明」から生まれます。

アフガニスタンにおけるアメリカの
「公然の失敗」を例に挙げるまでもなく、
われわれもそれぞれ肝に銘じておきたいものです。

( おくやま )

□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□

▼▼「戦略」を本当の意味で理解出来ていますか?▼▼

これから、改めて「戦略」というものについての
根本的な話をあえて考えてみようと思います。
少し長くなりますがお付き合い下さい。

国際問題について解決法を示している本はいくらでもありますし、
個人や組織向けの「成功本」や「ビジネス本」もたくさんあります。
ですが、ちっとも状況は解決していません。

その問題の本質的な原因はどこにあるのか?

一言でいえば、一般的な日本人は「戦略」というものを
勘違いしているような気がしてなりません。
だからこそ、巷に出回っている
国家戦略に関する本や「ハウツー本」をいくら読んでも
さっぱりうまくいかないのではないか...。

戦略的な考え方は、今後の暗闇にも似た世界の中を、
日本の政府や企業、そして個人が生き抜くためには
絶対に必要になります。

日本人は、そもそも「戦略とはどういうものか」という
本質的なことは絶対に習わないので、ある程度まで理解できても、
根本的なところがなかなか身に付きません。

日本人が戦略を体得するためのヒントは、
「戦略をタテに考える」ということです。

※つづきはこちらから

~戦略を語れない人生は奴隷だ~

 

世界を変えたいなら一度

世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう

 

 

▼「戦略の階層」を徹底解説するCD【 2.0&2016 】
http://www.realist.jp/strata.html

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□

※このメルマガは転送自由です。(ただし出典を残して下さい)

▼「奥山真司のアメ通LIVE!」番組へご意見・ご感想はこちらから
http://www.realist.jp/goiken.html

 

地政学―アメリカの世界戦略地図

地政学―アメリカの世界戦略地図

 
*1" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51W9Ck7f6SL._SL160_.jpg" alt="中国4.0 暴発する中華帝国 *2" />

中国4.0 暴発する中華帝国 *3

 
現代の戦略

現代の戦略

 
“悪の論理”で世界は動く!~地政学?日本属国化を狙う中国、捨てる米国

“悪の論理”で世界は動く!~地政学?日本属国化を狙う中国、捨てる米国

 
なぜリーダーはウソをつくのか 国際政治で使われる5つの「戦略的なウソ」

なぜリーダーはウソをつくのか 国際政治で使われる5つの「戦略的なウソ」

 
アメリカの対中軍事戦略 エアシー・バトルの先にあるもの

アメリカの対中軍事戦略 エアシー・バトルの先にあるもの

  • 作者: アーロン・フリードバーグ,平山茂敏,平賀健一,八木直人,石原敬浩,後瀉桂太郎,奥山真司
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2016/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 
戦略論の原点(普及版)

戦略論の原点(普及版)

 
南シナ海が“中国海”になる日 中国海洋覇権の野望 (講談社+α文庫)

南シナ海が“中国海”になる日 中国海洋覇権の野望 (講談社+α文庫)

 
戦略の格言―戦略家のための40の議論

戦略の格言―戦略家のための40の議論

 
現代の軍事戦略入門: 陸海空からサイバー、核、宇宙まで

現代の軍事戦略入門: 陸海空からサイバー、核、宇宙まで

 
平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点

平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点

  • 作者: ニコラス・J.スパイクマン,Nicholas John Spykman,奥山真司
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 14回
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
 
自滅する中国

自滅する中国

 
帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦 略

帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦 略

 
進化する地政学―陸、海、空そして宇宙へ (戦略と地政学)

進化する地政学―陸、海、空そして宇宙へ (戦略と地政学)

 
地政学の逆襲 「影のCIA」が予測する覇権の世界地図

地政学の逆襲 「影のCIA」が予測する覇権の世界地図

 
エドワード・ルトワックの戦略論

エドワード・ルトワックの戦略論

 
イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1

イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1

 
マッキンダーの地政学―デモクラシーの理想と現実

マッキンダーの地政学―デモクラシーの理想と現実

 
地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))

地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))

 
大国政治の悲劇 改訂版

大国政治の悲劇 改訂版

 
剣の刃 (文春学藝ライブラリー)

剣の刃 (文春学藝ライブラリー)

 
南シナ海 中国海洋覇権の野望

南シナ海 中国海洋覇権の野望

 
胎動する地政学―英、米、独そしてロシアへ (戦略と地政学)

胎動する地政学―英、米、独そしてロシアへ (戦略と地政学)

 
インド洋圏が、世界を動かす: モンスーンが結ぶ躍進国家群はどこへ向かうのか

インド洋圏が、世界を動かす: モンスーンが結ぶ躍進国家群はどこへ向かうのか

  • 作者: ロバート・D・カプラン,奥山 真司,関根 光宏
  • 出版社/メーカー: インターシフト
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 27回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る
 
幻想の平和 1940年から現在までのアメリカの大戦略

幻想の平和 1940年から現在までのアメリカの大戦略

  • 作者: クリストファー・レイン,奥山真司
  • 出版社/メーカー: 五月書房
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: 単行本
  • クリック: 4回
  • この商品を含むブログを見る
 
世界史で学べ! 地政学

世界史で学べ! 地政学

 
米国世界戦略の核心―世界は「アメリカン・パワー」を制御できるか?

米国世界戦略の核心―世界は「アメリカン・パワー」を制御できるか?

 
21世紀 地政学入門 (文春新書)

21世紀 地政学入門 (文春新書)

 
大国政治の悲劇 米中は必ず衝突する!

大国政治の悲劇 米中は必ず衝突する!

 
ストレスチェックフォローに最適! こころの健康づくり 社内研修ツール

ストレスチェックフォローに最適! こころの健康づくり 社内研修ツール

 
「感情」の地政学――恐怖・屈辱・希望はいかにして世界を創り変えるか

「感情」の地政学――恐怖・屈辱・希望はいかにして世界を創り変えるか

 
戦略論の原点―軍事戦略入門

戦略論の原点―軍事戦略入門

 
すべての富を中国が独り占めする

すべての富を中国が独り占めする

 
大学生の規範意識と社会性の発達―山形大学学生不祥事防止検討プロジェクトの取り組みから

大学生の規範意識と社会性の発達―山形大学学生不祥事防止検討プロジェクトの取り組みから

 
SWITCH Vol.32 No.10 ◆ FASHION ISSUE ANREALAGE

SWITCH Vol.32 No.10 ◆ FASHION ISSUE ANREALAGE

 
2050年の日本列島大予測 (晋遊舎ムック)

2050年の日本列島大予測 (晋遊舎ムック)

 
戦略論

戦略論

 

 

*1:文春新書

*2:文春新書

*3:文春新書