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【RPE】★北朝鮮核実験、中国の制裁破りが金正恩体制を存続させている

RPE Journal==============================================

 

       ロシア政治経済ジャーナル No.1439


               2016/9/12

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5回目の核実験を行った北朝鮮

制裁されてもいっこうに平気なのは、なぜでしょうか?



北朝鮮核実験、中国の制裁破りが金正恩体制を存続させている


全世界のRPE読者の皆さん、こんにちは!

北野です。


皆さんご存知のように、北朝鮮は9月9日、5回目の核実験を行
いました。

これを受けて、国連安保理は緊急会合を開き、「過去の安保理
決議の明白な違反だ」と強く非難する声明を発表しました。


というわけで、今回は、「北朝鮮の核問題」について考えてみ
ましょう。

 

▼なぜ北朝鮮は、核兵器をつくるの?

 

まず、もっとも基本的なところから。

なぜ北朝鮮は、世界から孤立しても、制裁されても、核兵器
開発をつづけるのでしょうか?

核兵器を持たない独裁者は、アメリカに殺されるから」で
す。

たとえば、イラクフセインを見てください。

彼は独裁者でしたが、「大量破壊兵器」はもっていませんで
した。

しかし、アメリカは、「もっている!」と決めつけて、イラ
クを攻撃。

彼を捕まえて処刑した。


たとえばリビアカダフィを思いだしてください。

彼もまた、殺されました。


シリアのアサドは、ロシアが守っているので生きている。

しかし、ロシアが守っていなければ、やはり殺されたでしょう。


というわけで、


核兵器をもたない

・反米国家の

・独裁者


は、アメリカに殺される可能性が極めて高い。

だから、金日成金正日金正恩も、核兵器開発をつづけるのです。

 

北朝鮮核兵器は、どこまで開発が進んでいるの?

 

どこでも報じられているように、今回は5回目の核実験。


1回目=06年10月

2回目=09年5月

3回目=13年2月

4回目=16年1月

5回目=16年9月


金正日が亡くなり、金正恩が後を継いだのが2011年。

つまり、金正恩になってから、すでに3回目の核実験。

しかも、今年二回目。

ペースがはやまっています。

06年、09年、13年の実験は、原爆でした。

しかし、今年1月の実験は、水爆と発表されました。

そして、今回の実験では、とても重要な発表がされています。


北朝鮮、核弾頭の実験爆発に「成功」 ミサイル搭載可能と
発表

AFP=時事 9月9日(金)14時38分配信

【AFP=時事】北朝鮮は9日、同日実施した5回目の核実験が
「成功」し、核弾頭をミサイルに搭載できることを確認した
と発表した。国営メディアが伝えた。>

 

原爆や水爆ができても、敵国を攻撃するためには、ミサイル
に搭載できるほど小型化しなければならない。

北朝鮮は、それに「成功した」と発表した。

もちろん本当かわかりません。

とはいえ、核実験があると、必ず「ホントかわからない」
という話が出てきます。


1回目の実験のときは、「ホントに原爆かわからない」と
報道された。

4回目の実験のときは、「ホントに水爆かわからない」と
報道された。

5日目の実験のときは、「ホントにミサイルに搭載可能か
わからない」。

しかし、北朝鮮が「着実に核兵器開発を進めていること」
は事実なので、「楽観論」はアテになりません。

 

北朝鮮は、なぜ制裁でもサバイバルしているの?

 

北朝鮮が核実験を行うたび、国連安保理が開かれる。

日本、アメリカ、韓国が議論を主導する。

そして、中国、ロシアも「嫌々ながら」制裁に賛成する。


しかし、金正恩は、平然と生き残っています。

なぜなのでしょうか?

実をいうと、中国が(中国らしく)、国連の制裁を破っている
からなのです。

だから、北朝鮮は、安保理が制裁を決めても、なんとかなって
いる。


<中国は4月以降、前回の安保理決議を受けた制裁を実施してい
るが、貿易統計によれば、北朝鮮の主要輸出品である石炭、鉄鉱
石の中国への輸出量に目立った落ち込みは見られない。

北朝鮮関係筋も「平壌の物価は安定しており、制裁の影響はほと
んどない」と指摘しており、中国が制裁を厳格に履行しているか
には疑問符が付く。>

時事通信9月9日)

 

▼なぜ中国は、金正恩を守るのか?

 

日本ではよく、「中国も北の核実験に怒っている」と報道され
ています。

それは事実なのでしょう。

しかし、その怒りは、日本、韓国、アメリカとは別の質の怒り
です。

というのは、北朝鮮が核で攻撃する可能性があるのは、韓国、
日本、アメリカ。

一方、北朝鮮が中国を核攻撃するなど、ありえません。


だから、中国の怒りというのは、「俺のいうことを聞かない」
レベルの怒りなのです。

そして、中国が金正恩を守らなければならない理由がある。


中国にとっての悪夢は、朝鮮半島が韓国中心で統一され、米軍
が、北と中国の国境までやってくること。

だから、習近平金正恩を嫌っていても、制裁を破って、支援
しつづけなければならない。

 

▼第2次朝鮮戦争はあるか?

 

「それでも中国が北朝鮮を守っている」


このことは、「戦争抑止力」になっています。

アメリカは戦争好き。

今世紀に入ってわずか16年で、

アフガニスタン
イラク
リビア
・シリア(IS空爆

と戦争している。

しかし、北朝鮮がどんなに横暴なことをしても、戦争には
「および腰」ですね。

なぜでしょうか?

一つ目の理由は、いうまでもなく北朝鮮が「核兵器を保有
しているから」です。

アメリカにはまだ届きませんが、韓国を核攻撃することは
できる。

(もちろん、北自身も放射能被害を受けますが、自分(金
正恩)が殺されるかの瀬戸際で、何をするか想定できませ
。)

ひょっとしたら日本も核攻撃できるかもしれない。

そして、後5年もすると、「アメリカまで核搭載ミサイル
を飛ばせるようになる」といわれています。


もう一つの理由は、中国です。

第2次朝鮮戦争が勃発した。

中国が北朝鮮の側について、米軍、韓国軍と戦うのではないか?

1950~53年の朝鮮戦争は、そんな構図でした。

中国が北朝鮮に大軍を送ったので、アメリカ、韓国軍は勝てず
「引き分け」に終わったのです。


アメリカも、中国とは戦争したくない。

というわけで、金正恩が、いくら暴れても


国連制裁は、中国が違反して北支援をつづけるので効果限定

・アメリカは、核保有国の北、中国の支援を受ける北と戦いた
くない


というわけで、「現状維持のまま進む」可能性が高い。

 

北朝鮮の未来は?

 

ということは、金正恩の未来は安泰なのでしょうか?

破滅のシナリオがあるとすれば二つでしょう。


一つ目は、北朝鮮が韓国を攻めてしまう。

そうなると、韓国は自衛権を行使して、戦争がはじまります。

アメリカ軍は、もちろん韓国側について戦うでしょう。

「集団的自衛権行使」ということで日本も協力を要請される。

もちろん、自衛隊が半島で戦うことはあり得ませんが、他の
協力は最大限するべきです。

(ここで貢献しなければ、アメリカは、「自分だけ安全地帯
にいる狡猾な日本の尖閣など守りたくない」となるでしょう。)

 

もう一つ破滅のシナリオは、中国経済がダメになって、引きず
られて崩壊する。

中国経済がダメになり、「もう俺たちは、あんた(北)を助け
る余裕ないよ」となれば、

北朝鮮の金体制も存続できないでしょう。


いずれにしても、金正恩体制は、「長くない」と思います。

 

▼中国は、北を守って孤立する

 

金正恩は、まことに迷惑な存在。

しかし、一点、日本にとってよいこともあります。

今回、国連安保理を主導したのは、日本、アメリカ、韓国。

北朝鮮のおかげで、日米韓の結びつきが強まっています。

中国は、「反日統一共同戦線」戦略で、この3国分裂を狙って
いるので、連携が強まるのは、まことにめでたいこと。

(●反日統一共同戦線とは?↓
http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/ )


そして、欧州諸国も、「北朝鮮追加制裁」は、完全支持状態。

皆さんご存知のように、欧州は、米中の間をフラフラしてい
る。

そして、どちらかというと、「中国より」になってきている。


(例、欧州のほとんどの国が、アメリカの制止を無視して、

中国主導「AIIB」に入った。)


しかし、特に今年から、中国経済の減速が鮮明で、「中国離れ」
が加速している。

(金の切れ目が、縁の切れ目。)


「ならず者北朝鮮を守る、中国」

ということで、北朝鮮のついでに中国も孤立していく。

 

中国経済は、ますます悪化していく →

・中国の求心力が低下し、孤立していく →

・「共産党一党独裁のおかげで経済成長できる」という
正統性がゆらぐ →

習近平は、「新たな正統性」を確保するために、東シナ海

南シナ海での挑発を激化させる


こういうシナリオもバリバリありそうです。

 

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