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【RPE】★弱い日本が強い中国に勝つ方法

RPE Journal==============================================

 

       ロシア政治経済ジャーナル No.1433

 

               2016/8/22

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今日は、「弱い日本が強い中国に勝つ方法」についてです。


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


「弱い日本が強い中国に勝つ方法」

と書くと、

「日本は弱くないぞ!」と批判されそうです。

まったくそのとおりですが、話をわかりやすくするために、

仮に「弱い」ことにします。

 

▼脅威に対抗する、二つの方法

 

ある国に、大きな脅威が現れてきた。

(たとえば、日本にとっての中国。)

これに対抗する方法は、大きく二つあります。


一つは、バックパッシング(責任転嫁)。

これは、「自分で戦わず、他国に戦わせる」のです。

たとえばアメリカは、プーチン・ロシアを脅威と感じている。

その時、自分では戦わず、ジョージア(旧グルジア)をロシアと
戦わせる。

(08年8月のロシアーグルジア戦争。)

あるいは、ウクライナをロシア(正確には、ロシアからの支援を
受けるウクライナ東部親ロシア派)と戦わせる。

(14年に起こったウクライナ内戦=米ロ代理戦争。)


日本人の感覚からすると、「バックパッシング」は「ずるいな~」
と感じます。

しかし、リアリストの大家ミアシャイマー先生は、


「大国は、バックパッシングを好む。

なぜなら、自国で脅威と戦うより、他国に戦わせたほうが

『安上り』だからだ」


と断言しています。


ここで、非常に注意すべき点があります。

日本人の多くが、「平和憲法は、日本の誇り。世界から尊敬され
ている」と考えています。

しかし、アメリカから見ると、日本がしていることは、「バック
パッシング」に他ならない。

なぜか?

「中国が日本を攻めてきたら、アメリカに戦わせよう!」


その一方で、

「アメリカが中国に攻められても、日本は決してアメリカを守り
ません。

なぜなら日本は、『平和主義』だからです!」


これは、どうみても「責任転嫁」(バックパッシング)。

アメリカ人が「日本は狡猾だ!」と考えるのは、当然なのです。


トランプさんが、「日米安保ただ乗り論」を展開し、アメリカ人
は「そうだ!そうだ!」と同意する。

日本国民は、「なぜそうなのだろう?」と、むこうの立場にたっ
て考えてみる必要があります。

もちろん、「アメリカが今の形にしたのではないか?!」という
反論はもっともです。

しかし、時は流れ、事情は変わります。

日本も、時代と共に変わっていくべきです。

(伝統を捨て去れという意味ではありません。念のため。)

 

さて、脅威に対抗する二つ目の方法は、バランシング(直接均衡)
といいます。

これは、バックパッシングとは違い、「自国で責任をもって」脅
威に対抗するのです。

 

▼内的バランシングと外的バランシング

 

バランシング(直接均衡)は、「内的」と「外的」にわけられます。


「内的バランシング」とは、脅威に対抗するために、

「自国を強くすること」。

簡単にいえば「軍備を増強すること」です。


「外的バランシング」とは、脅威に対抗するために


「同盟関係を増強していくこと」


です。

たとえば、日本は中国に対抗するために、

「日米関係を強化する」

「日印関係を強化する」

「日豪関係を強化する」

「日本と東南アジア諸国との関係を強化する」

などなど。


「内的バランシング」「外的バランシング」、どちらも重要。


しかし、「どちらがより重要か?」と聞かれれば、

(同盟関係を増強する)「外的バランシングの方がより重要」と

いえる。

実例をあげましょう。

 

▼勝った日ロ戦争、負けた日中戦争

 

日本は、当時世界最強の陸軍国だったロシアに勝ちました。

もちろん、私たちのご先祖様が、死力を尽くして戦ったからです。

そして、日本が当時、覇権国家だったイギリスと同盟関係にあっ
たことも大きかった。

世界一の戦略家ルトワックさんはいいます。

 

<当時、ロシアの艦隊は、日本のそれよりもはるかに大規模だっ
た。

つまり「シーパワー」では、ロシアが上回っていた。

その意味では「大国VS小国」という構図だ。

ところが、ロシアの「シーパワー」は、日本の同盟国であるイ

ギリスの「海洋パワー」によってほぼ無効化されていたのである。>


(必読!)
(●中国4.0 ~ 暴発する中華帝国  161~162p

(詳細は→ http://tinyurl.com/ht5l83a )

 

イギリスは、日本のために何をしてくれたのか?

ロシアのバルチック艦隊は、直接極東まで来ることができません。

途中で、燃料、食糧、水を補給しなければならない。

イギリスは、自国が支配している港にロシア艦隊がくることも、
補給することも許しませんでした。

それで、バルチック艦隊は、アフリカ大陸を大回りし、日本海
に来るまでに相当疲弊していたというのです。


さらに、日本は、アメリカから相当の資金援助を受けていまし
た。

実際日ロ戦争は、イギリスとアメリカの支援があって勝利する
ことができた。


このように日本は当時、「同盟関係」(外的バランシング)を
うまくやっていました。

しかし・・・。

日清、日ロ、第1次大戦に勝利し「世界5大国」の一角を占める
ようになった日本。

十分に強い陸軍、海軍を持つようになり、「外的バランシング」
を軽視するようになっていきます。


結果、満州利権をめぐって、アメリカと対立。

第1次大戦時イギリスの「陸軍派兵要求」を断りつづけ、「日英
同盟」を破棄される。

満州国建国」にこだわり、「国際連盟」を脱退してしまう。


強い軍隊を持つ日本は、中国との戦闘で、連戦連勝でした。


いっぽう、弱い中国国民党軍は、「外的バランシング」に力を注
ぎ、

1937年に日中戦争がはじまったとき、アメリカ、イギリス、ソ連
からの支援を受けるまでになります。

皆さんご存知のように、勝ったのは、「弱い軍隊」でも「外的バ
ランシング」(=同盟関係増強)を最重視した中国でした。

 


▼アメリカ新大統領がヒラリーでもトランプでも、「同盟強化」を

 


日本人の特徴の一つは、「人間関係があっさりしていること」だと
思います。

そして、外国との関係もあっさりしています。


たとえば、トランプさんが「日本がもっと金を出さなければ、在日
米軍を撤退させる!」という。

すると日本人は、「どうぞ出ていってください!」と思う。


たとえば、ヒラリーさんが中国から金をもらっていたことを知った。

日本人は、「そんな奴が大統領になったら、つきあいたくない」と
思う。


気持ちはわかりますが、戦略的には「アメリカを味方につけるため
にあらゆる努力をすること」が大事です。

アメリカは確かに衰退著しいですが、中国は今でも「アメリカとだ
けは戦えない」と思っている。

実際、アメリカ国務省のトルドー報道部長が8月9日、

尖閣は、日米安保の適用範囲である」

といった。

すると11日、中国船の大群は、尖閣付近の領海からも接続水域から
も出てきました。

(その後、数を減らして戻ってきているが。)


今、日本は、中国からの巨大な脅威に直面しています。

最初に頭に浮かぶのは、「軍事力を強化すること」(=内的バラ
ンシング)。

しかし、より大事なのは、「同盟関係の増強」(=外的バランシ
ング)です。


今は、「非常事態」ですので、「憲法改正問題」「靖国問題」も

「これをすると中国に勝てるかな?」

「これをすると、外的バランシングは強化されるだろうか?」

と考えるべきです。


「精神論」「原則論」「抽象論」「理想論」などの話になって
きたら要注意。

(@日本は戦前、戦中「満州国=日本の生命線」などといって
いました。

戦争で「生命線=満州」はなくなりましたが、全然問題ないで
すね。)

 

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