フレブル君日記

フレブルはゆるいよ

RPE★権威喪失~なぜ日本はボロボロになったのか?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

 

(●必読

ヒラリーさん、驚愕の【超不都合な真実】とは???

http://diamond.jp/articles/-/97964   )

 

ある読者さんから、

「なぜ日本はここまでボロボロになったのでしょうか?」

というご質問をいただきました。

私なりの考えを書かせていただきます。

 

▼社会には、「権威」が必要

 

まず、基本的な話として、社会には「権威」が必要です。

権威とは、小室直樹先生によれば、


「何が正しいか、何が正しくないかを決める存在」


世界を見渡すと、大変しばしば「宗教」が「権威」の役割を果た
しています。

たとえばユダヤ教の神様は、モーセに「十戒」を与え、「これを
したらいかんぞ!」というルールを示しました。


キリスト教では、イエスが、生き方の規範を示しました。

カトリックには、ローマ法王がいて、神様、イエスの代理者とし
ての務めをされています。

それで、カトリック教会で、ローマ法王は大変な権威ですね。

プロテスタントは、ローマ法王の権威を否定し、自分自身が直接
神様、イエス様につながることを目指しました。

ですから、プロテスタントの信者にとって、神様、イエス様、聖
書は権威です。

彼らが作った国が、アメリカ合衆国


個人個人を見れば、「俺には権威なんて必要ないね!」という
人も多いでしょう。

しかし、社会全体でみれば、権威はなくてはならない存在です。

 

▼権威を否定された国では・・・

 

社会には権威が必要。

しかし、その権威がなんらかのきっかけで否定されることがあり
ます。


私は、その現場をこの目でみました。

そう、ソ連崩壊です。


1917年のロシア革命から1991年のソ連崩壊まで、

ロシア人も含むソ連人は、「共産主義」という宗教を信じてい
ました。

共産党」は天地のごとく盤石で、永遠の存在と信じられてい
た。

ところが、1991年12月、ソ連は崩壊してしまった。


要するに、ソ連国民は、


「あなたがたが信じていた共産主義教は

『大うそ』だったのですよ!」


と宣言されたのです。

新生ロシア国民はみな、「アイデンティティー・クライシス」
状態になりました。

 

●日本人のための憲法原論

(詳細は→ http://tinyurl.com/jb6ounq )

 

の中で小室直樹先生は、「権威が否定された社会」について、
こう書いておられます。

 

<こうした権威が否定されたときに、

その人間は、

その社会はどうなるか?

そこに起きるのは、まったくの無秩序です。

何が正しく、何が悪いのかが分からなくなるのだから、

それは当然すぎるほど当然の結果です。。

ある人は暴力的になり、

またある人は何をしていいのか分からなくなって無気力
になる。>(465p)

 

これ、私はソ連崩壊後のロシアで、実際目撃しました。

「まったくの無秩序」というのは本当です。


90年代のモスクワ、外国人はロシアの警察官をとても恐れ
ていました。

ことあるごとに職質され、パスポート・ビザに問題がなく
ても、いちゃもんをつけられ、「金」を要求されるから。

ある時など、「あなたのパスポートに問題ないが、ヴォッ
カを飲む金がない。

おごってくれないか?」と正直にいわれたこともあります。

もちろん、おごりましたが。

こうして、アイデンティティーを喪失したロシア人は、そ
れぞれ、「自分探しの旅」に出たのです。

とても多くの人が、共産主義時代否定されていた伝統宗教

ロシア正教イスラム教、チベット仏教など)に回帰し
ました。

今、ロシア人は、びっくりするほど信仰的です。

ある人は、「金儲け教徒」になりました。

あるいは、「欧州人道主義教徒」になった人もいます。


しかし、「全ロシア的権威」は現れず、混乱が収まる雰囲気は
ありませんでした。

ところが新世紀が始まるころ、ロシアに新たな「権威」があら
われた。

それがプーチンです。

ロシア経済は急成長しはじめ、秩序は回復しました。

 

▼日本、権威の変遷

 

江戸時代、日本国民は、「将軍様と幕府は、天地のごとき存在
である」と考えていました。

それで、日本は、世界史上まれに見る長期の平和を実現します。

学問も盛んで、日本の識字率は当時、世界一だったといいます。

しかし、明治維新で幕府の権威は否定されました。

 

代わって権威になったのが、明治天皇です。

天皇は「現人神」とされ、臣民に対し、「こんな風に生きなさ
い」と指針を示されました。

それが「教育勅語」です。

内容は、

1. 父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)

2. 兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)

3. 夫婦相和シ (夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)

4. 朋友相信シ (友だちはお互いに信じ合いましょう)

5. 恭儉己レヲ持シ (自分の言動を慎みましょう)

6. 博愛衆ニ及ホシ (広く全ての人に慈愛の手を差し伸べまし
ょう)

7. 學ヲ修メ業ヲ習ヒ (勉学に励み職業を身につけましょう)

8. 以テ智能ヲ啓發シ (知識を養い才能を伸ばしましょう)

9. ?器ヲ成就シ (人格の向上に努めましょう)

10. 進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ (広く世の人々や社会のため
になる仕事に励みましょう)

11. 常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ (法令を守り国の秩序に遵い
ましょう)

12. 一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼ス
ヘシ (国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それによ
り永遠の皇国を支えましょう)


読み返してみると、「何が問題なのかわからない」立派な内容
ですね。

ところが、敗戦で天皇の権威は否定されました。

GHQの命令で、「現人神」が「人間」にされた。

権威を否定された日本人は、当然アイデンティティークライシス
になったことでしょう。

 

その後日本は、何を心のよりどころにしたのか?

私が考えるのは、「会社」です。

社長さんは、「権威」であり、二つのことを約束しました。


1、一所懸命働けば、絶対首にしない。(終身雇用)

2、一所懸命働けば、毎年給料を増える。(年功序列


これで、日本は、1950~1990年まで、ものすごい勢いで成
長することができた。

ところが、「権威」であり、「おやじ」でもあった社長さ
んたちは、「こどもたち」である「社員」を裏切ります。

長い不況に耐えかねた経営者たちは、「リストラ」をはじ
めたのです。

その傾向に火をつけたのは、日産のゴーンさんでしょう。

社長さんたちは、自らの行いによって、その権威を捨て去
ったのです。


幕府を否定され、

天皇陛下の神性を否定され、

会社を否定され・・・・。


日本には権威がなくなり、再びアイデンティティークライシス
の時代がやってきました。

最近、「戦前回帰」がトレンドになっています。

これも、会社という権威が否定された国民が、あらたな権威を
求めている動きなのではないでしょうか?

(「あらたな」というか、「昔の権威」への回帰ですが。)

 

ロシアでも、ソ連崩壊後は、多くの人が革命前に盛んだったロ
シア正教に回帰しました。

 

▼戦前回帰は解決にならない

 

とはいえ、戦前回帰は、根本的解決になりません。

戦前に関して、「よかった」「悪かった」いろいろ意見があり
ます。

これまでは「悪かった派」が圧倒的に多かった。

しかし、近年「よかった派」が力を増しています。


とはいえ、「よかった派」も決して否定できない厳粛な事実が
あります。

それは「戦前の体制で日本は【 負けた 】」ということ。

戦前の体制で負けたのに、また戦前の体制に戻せば、

 

【 また負ける 】

 

に違いありません。

負けても「自虐史観」から脱却できるでしょうか?

できるはずがありません。

日本がまた孤立し、また敗戦したくなければ、世界の趨勢に
従わなければなりません。

それは、「自由」「平等」「民主主義」「人権」などです。

これらを否定する国は、孤立します。


どんなに中国の経済力が上がっても、あの国が

 

「不自由」「不平等」「独裁国家」「人権無視国家」

 

である限り、世界で尊敬されることはないでしょう。

今中国は、東シナ海で日本を圧迫しています。

南シナ海では、哀れな東南アジア諸国(特にベトナム、フィリピ
ンなど)をいじめぬいています。

しかし、世界から見れば、異質な巨大怪獣であり、「みんなでが
んばって退治しなければならない存在」になりつつある。


今は、「中国の金力は魅力的だぞ!」「中国に逆らうのは怖いぞ
!」

と、多くの国がユラユラしている。

また、アメリカの衰退が著しく、中国を有利に見せています。


しかし、05年から一貫して書いているように、中国の繁栄はも
う長くありません。


(05年出版の「ボロボロになった覇権国家」には、

中国は08年~10年に起こる危機を乗り越えるが、成長は2020
年までに終わると書いている。

実際、中国は、08年からの危機を乗り越え独り勝ち状態にな
った。

そして、今年から減速が顕著になっている。)

 

▼私たちは、「自立」しなければならない

 

かつて、父親は、家族の中で「権威」として存在していました。

父は、「あれはよいこと」「これは悪いこと」と教えてくれた。


しかし、学校を卒業し、自分で金を稼ぐようになると、両親も
知らない世界に私たちは突入していきます。

(たとえば、私の両親は、ロシアのことを何もしらない。)


そうなると、人は自分自身で学び、経験し、自分自身を頼り
に生きていくようになります。

もちろん、尊敬する人たちからアドバイスは受けるでしょう
が。


「自分のことは自分で決める」


これが「自立した人間」の条件です。

日本人は、「幕府」「天皇陛下」「会社」の権威を否定され、

あたかも「孤児」のようになってしまいました。

しかし、「俺は自分自身の足でしっかり立ち、生きていく」と決意
する人は、生き残ります。

生き残るだけでなく、日本を復活させる原動力にもなるでしょう。

 

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