★結局、誰も中国の膨張、侵略を止められないのでは???  RPE

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


仲裁裁判所が、「南シナ海における中国の主張は、全部根拠なし!」と判断した。

中国は、「俺たちは間違ってない!間違っているのは、仲裁裁判所だ!」とキレている。


そして昨日は、「中国は、せっかく親中政権が誕生したフィリピンを怒らせ、速やかに反米にかえてしまった」という話をしました。

中国は明らかに孤立してきていますが、読者のIさまから、こんなメールをいただきました。


<北野様
いつもメルマガ拝読しております
ありがとうございます。

私なりの考えですが
北野さんの言われるとおり
中国はみんなからやっぱりやめた
アメリカにしようと思われていると思います

ただ、
だからと言って
中国が実力行使してきた場合
特にアジアにおいては
本気で止める国はどこもなく

やりたい放題になると思います。
アメリカも本気では止めない。

止めますか?

チカラのあるところとは
戦いたくない

ならチカラのある国が
無茶を言っても
やったことが既成事実となるだけです。

南沙諸島の埋め立て
基地化をスケルトン返し(原状復帰で)すべて元に戻して
返すはずもありません。

つまり中国がどう思われようと
関係なくやったことが事実としてのこり

だれも止められない
そのまま進む

と思うのですが如何でしょうか?

日本は対抗手段ないのですかね・・。。>

 

「そうはいっても、誰も中国を止められないよな・・・」

こう思っている読者さんは、多いようです。

確かに、仲裁裁判所の判決が出ても、中国の行動は何もかわりません。

相変わらず、南シナ海の埋め立てをつづけ、軍事拠点化していくことでしょう。

仲裁裁判所の判決には「拘束力がある」といいますが、判決を「執行させるメカニズム」がない。

ですから、中国がいままでどおりの行動をつづけることは明らかです。

そして、「中国は、核兵器大国なので、アメリかも止められない」というのも、説得力があります。

では、どうやって中国を止めることができるのでしょうか?

 

▼情報戦からはじまる戦争

 

日本人は戦争というと、兵士、戦闘機、戦車、戦艦などが撃ち合いするイメージしかありません。

これは大問題です。

正直いうと、戦争は、「撃ち合い」のずっと前からはじまっているのです。

何からはじまるかというと、「情報戦」から。

情報戦の目的は、

第1に、「自国民に、敵国は『悪魔のような国』である」と信じさせる。

なぜかというと、いざ戦闘が開始されたときに、世論が戦争の邪魔をしないようにする。


第2に、「他の国々に、敵国は『悪魔のような国』である」と信じさせる。

これは、いざ戦闘がはじまったとき、「敵国に味方する国が一国もいないようにする」ためです。


例を見てみましょう。

まず、日本がらみ。

1930年代はじめ、日本と中国は、「満州問題」でもめていました。

中国はこの時、「日本には、『田中メモリアル』という『世界征服計画』があるのだ」と大々的にプロパガンダします。

その「世界征服計画」(=田中メモリアル)には、

1、シナを征服するためには、まず満蒙を征服しなければならない

2、世界を支配するためには、まずシナを征服しなければならない


とあった。(偽書です。)

中国は、「日本が満州を支配したのは、世界征服の第1歩である!田中メモリアルが、その証拠です!」

と大宣伝し、信じさせることに成功したのです。(!)


「情報戦」で敗れた日本は、「国際連盟」を脱退し、「世界の孤児」になってしまいました。


今の世界をみわたすとどうでしょうか?

世界では、「プーチンは悪魔のような男だ!」いうプロパガンダが盛んです。

イギリスが中心になって行っている。

これも、「情報戦」です。


では、アメリカは、中国に対し情報戦を行っているのでしょうか?

2015年3月の「AIIB事件」以降、ボチボチはじまっています。

しかし、「中国経済は相当ヤバい!」というプロパガンダに集中しているようです。

これを私は、「経済情報戦」と呼んでいます。

東芝三菱自動車汚職が明らかになれば、株価は下がるでしょう?

これは、事実が情報として出てきて、株価に影響を与えた。


しかし、あるマスコミが、「〇〇社はヤバいらしい」と書けば、根拠はあまりなくても、やはり株価は下がります。

これは、情報が事実(株価下落)をつくったのです。

アメリカは、昨年から熱心に経済情報戦を仕掛け、結果中国経済はボロボロになってきています。


とはいえ、アメリカ大統領が変われば、また変化があるかもしれません。

そういう意味で、米大統領選は、とても大事です。

 

▼経済戦

 

情報戦の次に来るのが、「経済戦」です。

皆さんご存知のように、アメリカは、「ABCD包囲網」を主導しました。

これで日本に石油が入ってこなくなった。

日本は当時、石油の約90%を輸入に頼り、しかもそのうち約80%をアメリカから買っていたのです。

これがいわゆる「経済戦」の例です。


アメリカは、「クリミア併合」後、「対ロシア経済制裁」を主導しています。

日本、アメリカ、欧州、オーストラリアなどがロシアを制裁している。


アメリカが、世界第2の経済大国中国を経済制裁する?

現時点では、あまり考えられません。

中国は、日本と1、2を争う「米国債保有国」(債権国)でもある。

しかし、何か大きな事件があれば、経済制裁に踏み切る可能性もあります。


こう書くと、「そんなわけはない!経済的損失が大きすぎる!」と反論がきます。

しかし、安全保障は、経済より大事なのです。

これは、「命(安全保障)と金(経済)どっちが大事ですか?」という質問です。

普段命のことを考えないので、「金が一番大事」と思っている。

しかし、命のことを意識した途端に、「金より命が大事」となります。

銀行も、「命の次に大事な物(=金)をお預かりしています」などといいますね。


実際、欧州は、莫大な経済的損失を出しながら、対ロシア制裁をつづけている。

これは、「金がすべて」という価値観とまったく矛盾しています。


ちなみに、世界一の戦略家ルトワックさんは、「核大国中国と全面戦争することはできないので、『地経学的』手段をとるしかない」といっています。

 

<われわれに唯一残された抵抗手段は「地経学的」なものである。これは戦略の「論理」を、経済の「文法」に適用したものだ。>

(自滅する中国 338p)


(ちなみに、「中国の膨張が心配で眠れない」という方は、こちらをご一読ください。

熟睡できるようになること、間違いありません。

 

中国4.0 暴発する中華帝国 (文春新書)

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自滅する中国

自滅する中国

 

 

 

▼代理戦争

 

今の世界には、二つの超大国があります。

アメリカと中国です。

アメリカは、GDPと軍事力で世界一。

中国は、GDPと軍事費で世界2位。


本質は、「米中の覇権争奪戦」なのですが、お互い核兵器大国。

それで、本音では、「戦争なんてしたくない」と思っている。

では、どうするか?

 

「他の国に戦わせよう!」

 

これを、「バックパッシング」(責任転嫁)といいます。


たとえば、米ソ冷戦時代。

アメリカとソ連は、直接戦いませんでしたが、「代理戦争」はあちこちでしていました。

中国で、朝鮮半島で、ベトナムで、アフガニスタンで・・・。


今も同じようなことが起こっています。

アメリカの傀儡国家だったジョージアは08年8月、ロシアと戦争し、大敗北しました。

ロシア、イランから支援を受けるシリア・アサド政権は、欧米から支援を受ける「反アサド派」と激しい戦いを繰り広げました。

アメリカの傀儡国家になったウクライナ新政府は14年、東部親ロシア派と激しく戦いました。


これらは、「現代の代理戦争」の例です。

問題は、「アメリカが覇権を維持するために、日本と中国を戦わせる可能性がある」ことです。

日本はアメリカの動きをよく観察し、「アメリカなしの日中戦争」を断固回避しなければなりません。

日本が目指すのは、あくまで「アメリカを中心とする中国包囲網」の形成です。

日本が主人公になっては決していけないのです。

 

▼結局、どうやって中国をとめるの?

 

Iさんのご質問に回答するべきですね。

まず、南シナ海の埋め立てや軍事拠点化を、実際にとめることはできません。

しかし、中国が今後も、国際法、国際秩序を無視するような行動をつづければ、

孤立が深まり、ある時点でアメリカが本気になるでしょう。


(実をいうと、2015年3月のAIIB事件以降、オバマさんは本気になり、かなり成果をあげています。しかし、任期切れが迫ったオバマさんの影響力は衰えているので、中国バッシングの勢いが衰えている。)


実際に何が起こるかというと、

1、情報戦で、中国を「悪魔化」させ、「孤立」させる。

2、経済情報戦で、中国経済を破壊する。(これは、すでにおこなわれているようです。)


もし、中国が「暴発」すれば、


3、対中国経済制裁(親中国になっている欧州が参加するかがカギ。)


そして、最終手段が「戦争」ということになりますが、なんら
かのきっかけで「米中戦争」が起こる可能性も否定できません。

「核大国同士の戦争はない」といいますが、「核大国同士の戦争は、結局通常兵器同士の戦争になる」ともいいます。

なぜかというと、両国とも核兵器を使えないから。

 

▼日本はどうするべきか?

 

日本は、「平和ボケ」することなく、恐れすぎることなく、「適切な対応」をしていく必要があります。


まず、「中国は何を狙っているのか?」をはっきり知っておきましょう。


第1に尖閣

第2に沖縄。


実際、中国は、「日本には尖閣ばかりか沖縄の領有権もない!」と宣言しています。

(証拠はこちら。↓
http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/ )


しかし、実際に「戦闘」に発展する可能性があるのは、いまのところ「尖閣だけ」です。

ですから、日本は「人民解放軍尖閣に上陸したら、即座に駆逐する準備」をしておかなければなりません。

ルトワックさんもいっていますが、「まずアメリカと相談して」とか、「まずは国連安保理に」などとグズグズしていれば、尖閣は永遠に中国のものになってしまいます。

ウクライナは、そうやってクリミアを永遠に失った。)

そうなれば、次は沖縄が視野に入ってきます。

日本が考えるべきことは、「自力で断固として尖閣を守ること」。

人民解放軍が上陸したら、即日駆逐するべきです。)


そして、誰が大統領になっても、アメリカとの関係をますます強化していく。

確かにアメリカの力は弱まっていますが、「尖閣を侵略したら、アメリカが出てくるかもしれない」と中国が信じているうちは、何もできません。


さらに、将来中国と並ぶ超大国になるのが確実なインド、同じ懸念を共有するベトナム、フィリピンその他の東南アジア諸国、オーストラリアなどの関係をますます強めていきましょう。


日本国民は中国をとても怖がっていますが、「悪いのは仲裁裁判所だ!」と叫び、孤立にばく進している国は怖くありません。

怖いのはむしろ、【日本が孤立する】、あるいは【日本が孤立させられる】ことです。

そして、ある国が「孤立する」理由は、いつも決まっています。


民族主義的になるとき」


そんなわけで、安倍総理には、くれぐれも「抑制的」であって欲しいと思います。

 

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