論長論短 No.259 間違いたい予感 宋 文洲

2016年の仕事はサウジ・イラン断交と世界的株暴落が伝播する中、始まりました。

仕事初日の出来事が象徴するように今年は決して昨年ほど安泰ではないと
思いますが、私はどこか少し安堵感を感じてしまうのです。世の中の混乱と不幸を
喜んでいる訳はありません。試験が来る日まで不安が募って試験が始まれば
不安が落ち着き始める心境です。

世の中の経営者が景気は良くなると予想し始めた時、だいたい景気循環
終わる時でもあるのです。昨年末の企業向けの景気統計は例年なく良かったです。
これはおそらく例にもれず景気循環の終わりを示唆したものでしょう。
宋文洲の予感が間違っていたら皆さんが私を嘲笑ってください。私も嬉しいです。

私は昨年初頭に中国株の暴落およびそれに対する警戒を呼びかけましたが、
その後上海指数は5000点から2800点まで暴落しました。年末にかけて上海指数は
3600点まで戻りましたが、私はそれについてまったく興味を持ちません。

市場は四季のように正確に循環しませんが、循環していることは間違いありません。
儲かる事業に投資して利益を得ればさらに同じ事業に投資するのが人間の本能
であり、合理性でもあります。このサイクルはどこまで続くかといえば市場が
飽和するまでです。

理屈をいうのは簡単ですが、市場がいつ飽和するのかは誰もわかりません。
特に儲かる事業は毎回ニュービジネスという新しい顔を持つし、投資家と評論家も
新しい成長理論を作るのです。株価でいえば1万円の時点で1万5千円になると言う
人が出てきますし、1万5千円になれば2万円になると言う人が必ず現れます。
さらに、本当に2万円になれば2万5千円や3万円、4万円と言い出す人は必ず
もっともらしい理屈を持って出現するのです。

「株は虚業だが、事業は違う」と自己満足している経営者がいますが、実は
市場である以上、株も事業も同じロジックで動くのです。社名は挙げませんが、
成長を見込んで膨大な資金を投じて新しい工場を建設したり、M&Aを敢行したりして
かえって会社の財務基盤を損ない維持もままならない会社を思い出してください。
後になって「なぜ調査しなかったのか」と言う人が多いのですが、調査しても
分からないから市場なのです。

投資家と経営者は常にリスクを背負っているのですが、景気の良い時はそれが
見えなくなるのが常です。だから大半の経営者が景気は良くなると思った時は
リスクが最も高まった時なのです。

私にとって景気循環が終わった時はいつもわくわくする時です。これは個人の
性格の問題です。クラスの男子の大半がある可愛い人気の女子に媚を売って
接近する時、私はむしろその子に一歩も接近したくないのです。頑張っても
相手にされないという諦めからではなく、人と違う可能性を見出したい性格
なのです(短い脚と小さな目の私は実際に本当に相手にされないと思う)。

株の動きを見れば分かるのです。不思議に低迷期は必ず定期的に来て、
その時の株は買っても買っても損していくのです。しかし、損しても低迷期に
買った株は必ず儲かるのです。事業もまったく同じ理屈です。不景気の時に
起こした事業、生き残った事業は本当の事業なのです。


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