★2016年世界はどうなる?3~欧州はどうなる?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


「2016年世界はどうなる」シリーズの3回目です。

今日は、欧州について触れましょう。


前号、前々号を読んでない方は、わけがわからなくなります。

まず、こちらからご一読ください。

●2016年、世界はどうなる?~落ち目の覇権国家アメリカが世
界を動かす↓
http://archives.mag2.com/0000012950/20160104000000000.html

●2016年世界はどうなる?~中国はどうする? ↓
http://archives.mag2.com/0000012950/20160105000000000.html

 

▼米中の狭間で欧州は?

 

前号、前々号を読まれた方は、ご存知です。

08年以降、世界は「別の時代」に突入しています。

08年以前は、「アメリカ一極時代」だった。

08年以降は、「米中二極時代」になった。

そして、米中以外の国々は、「アメリカと中国、どっちにつくのが
お得かな?」と考えながら動いている。

欧州は、どうなのでしょうか?

これは、「どちらかというと中国側についている」といえるでしょ
う。


例を二つ挙げておきます。

たとえば2015年3月の「AIIB事件」

アメリカの警告を無視してAIIBに参加した欧州の国々は?

イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、スイス、
オーストリア、オランダ、デンマークポルトガル、スペイン、
フィンランドノルウェー、マルタ、アイスランドポーランド
スウェーデン

となっています。

アメリカが衝撃を受け、「このままでは覇権を奪われる!」とあ
せったのも当然でしょう。

「AIIB」について、「格付け会社が格付けを出さないほどひ
どい状態ですよ」と質問がきました。

その通りです。

しかし、2015年3月の時点では、57か国が中国主導のAIIBに
期待をかけていた。

その後、あせったアメリカが反攻に転じたのです。

夕刊フジ12月8日付は、「中国が格付け会社を脅迫した」ことを
報じています。


<ロイターによると、AIIBの初代総裁に内定している中国出身
の金立群氏は9月、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)や
ムーディーズフィッチ・レーティングスなどの主要格付け会社
接触し、信用格付けについて

「公正な評価を望んでいる」と述べたうえで、

「投資家がわれわれをトリプルAと認識し、格付け会社がそうしな
いならば、格付け会社の評判が大きく傷つくだろう」

と牽制(けんせい)していた。

それだけ格付けに敏感になっていることがうかがえる。>

 

ところが、【アメリカ】の格付け会社である、

S&P、ムーディーズ、フィッチ

は、中国の脅しに屈しませんでした。


<実際にフタを開けてみると、「二流」どころか「無格付け」と、
もっとひどいことになるという。

投資不適格な低格付け債は「ジャンク(紙くず)債」といわれる
が、それ以下ともいえる。

内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は、国際金融機関が無格
付けの債券を発行するというのは「聞いたことがない」というか
ら、前代未聞の事態だ。>(同上)

 

これは、【アメリカ】の格付け会社である3社が、政府の意向に
従ったのでしょうか?

それとも、正当な格付けを行ったのでしょうか?

私は、「どっちも真実だろう」と思います。

実際、この3社は、「アメリカ政府の意向に従った格付けをつける」
ことで知られています。

比較的記憶に新しいところでは、「サブプライムローン」に「トリ
プルA」を出し、「危機に加担した」と批判されていた。

そして、「AIIBの中身がメチャクチャ」であることも、また真
実なのでしょう。


さて、「欧州が中国より」であるもう一つの例。

2015年12月、中国人民元が、IMF・SDRの構成通貨に採用
されました。

これも「アメリカの意志に反して」「欧州の裏切りによって」
実現したのです。

時事通信12月5日


人民元、「外交上の勝利」=日米欧の思惑交錯-IMF第3位通
貨に〔深層探訪〕>


から引用してみましょう。

まず、日本とアメリカは、はっきりと「人民元のSDR構成通貨化」
に反対していました。
↓ 


<◇日米、「自由度」に懸念

「元の管理制度には課題が多い」-。

米国や日本の財政当局者らは今年半ばまで、このような見解を相次
ぎ漏らし、元取引の自由度の低さに懸念を示していた。

SDR採用には「貿易量」と「通貨取引の自由度」の二つの水準を満た
す必要がある。

元は前回2010年の審査で自由度の低さがやり玉に挙げられ、採用が
却下されていた。

ルー米財務長官らは今年初め、「中国は市場に基づく為替相場を構
築する必要がある」と表明し、

今回のIMF審査でも不採用に持ち込みたい考えをうかがわせた。>

 

ところが、アメリカ最大の同盟国であるはずのイギリスが、AI
IBにつづき、今回も裏切ります。

 

<◇英国は「黄金時代」に期待

しかし、審査は5年前と異なる展開をたどった。

決定的な違いは、中国の経済力に魅せられた欧州諸国が早い段階か
ら「元のSDR採用」に前向きな姿勢を示したことだ。

特にロンドンの金融街シティーを擁する英国は「中国寄り」を鮮明
にした。

10月の習主席訪英では、バッキンガム宮殿で晩さん会を開き、キャ
サリン妃が中国を象徴するような赤いドレス姿で歓待。

キャメロン政権は「英中の黄金時代」の演出に力を注いだ。

この英中首脳会談でまとまった商談は、中国による英原発投資を含
めて総額400億ポンド(約7兆4000億円)。

さらに、英国は元のSDR採用への支持を確約し、将来のシティーへ
の元取引市場の誘致に有利なポジションを手に入れたとみられる。>

(同上)


イギリスにつづいて、もとから親中のドイツやフランス、その他
欧州諸国も、続々とアメリカを裏切った。

そして、もはや日米が反対してもどうにもならない状況になって
いったのです。

 

<10月のIMF加盟国会合では、ドイツなどの欧州諸国や新興国も、
元のSDR採用に賛意を表明。

この時点で日米が反対しても、否決には持ち込めない情勢にな
っていた。>

(同上)


以上、欧州が、アメリカを裏切って中国についている例を二つ挙げ
ました。

今年も、欧州の大国群は、中国への接近をつづけることでしょう。


イギリスの例を見れば明らかですが、中国パワーの源泉は、「金」
です。

ですから、アメリカが覇権を維持しようとすれば、「中国経済を破
壊すること」が非常に重要なのです。

最近のアメリカメディアを見ると、毎日のように「中国経済お先真
っ暗」記事が出ています。


確かに、中国経済が、多くの問題を抱えていることは事実。


しかし、「経済情報戦」の一環でもあるのでしょう。

プロパガンダが浸透すると、「それは事実」になる。

(例、ある新聞が、「A社はヤバい!」と書けば、実際株は下がる。)

 

▼欧州、今年の課題は?

 

ここまで「米中覇権争奪戦」の中の欧州について触れました。

ここからは、もっと欧州内の問題に触れましょう。


欧州、2014年最大の課題は、「ロシアーウクライナ問題」でした。

2014年3月、ロシアがクリミアを併合したからです。

ところが2015年2月、ロシア、フランス、ドイツの仲介で、ウクライ
ナと東部親ロシア派の和解が成立した。

以後、ウクライナ問題は、ほとんど忘れさられています。

そして、欧州最大の問題は、


・難民

イスラム国(IS)


に移りました。

そして、2016年も、「難民」と「IS」は、欧州最大の問題で
ありつづけるでしょう。

なぜでしょうか?

前々号で、「アメリカが中東への関与を減らすことで、シリア
はごちゃごちゃになっていく」と書きました。


そして、早くも予想通りの展開になってきています。

とても大きな事件が、年初から起こったのです。

スンニ派の大国サウジアラビアが、シーア派の大国イランとの

「外交関係断絶」を決めた。


ブルームバーグ1月4日付を見てみましょう。

 


<サウジがイランとの外交関係を断絶

Bloomberg 1月4日(月)5時47分配信

ブルームバーグ):サウジアラビアは3日、緊張が高まっている
イランとの外交関係を断絶し、同国の外交官を国外に退去させるこ
とを明らかにした。>


なぜ、こんなことになったのでしょうか?


<断交の発表は、シーア派に対するサウジの対応に批判的だったニ
ムル師の処刑を受けて、群衆がテヘランのサウジ大使館を襲撃した
ことがきっかけ。

サウジはテロ活動に関与した罪などでニムル師ら47人を処刑した。>

(同上)


まずサウジが、シーア派の著名な指導者二ムル師を処刑した。

これに激怒したイランの民衆が、テヘランのサウジ大使館を襲撃した。

それで、サウジが、イランとの外交関係断絶を決意した。

これは、直接的動機ですが、背景には、「長年の恨み」があるのです。

「怖い警察官」(アメリカ)が、「もう疲れたから、あんたたち好き
にやってくれ!」と職務を放り出したので、ケンカをはじめた。

これは、怖いソ連崩壊後に、旧共産圏で民族紛争が多発したのと同じ
構図です。

で、シリアはどうなるの?


<両国間の緊張のエスカレートは、既に難航しているシリアの内戦
終結に向けた取り組みにマイナスとなる可能性が高い。

シリアではサウジがスンニ派の武装勢力を支援し、

イランがアサド政権を支持している。>(同上)


サウジは、「反アサド」を支援している。

イランは、「アサド政権」を支援している。

それで、「シリア内戦」は長引きそうだと。


そして、このシリアから、続々と欧州に難民が押し寄せている。

その数、2015年だけで100万人(!)をこえたそうです。

(もちろん、この数は「シリアからの難民だけ」ではありません。

イラクアフガニスタンリビアなどからの難民もいます。)


衰退したアメリカの責任放棄で、中東が大荒れになっていく。

そして、今年も大量の難民が欧州に殺到する。

その中には、「ISメンバー」も含まれていることでしょう。


というわけで、欧州今年最大の問題は、

・難民

・IS

で変わらずということなのです。


前々から書いていますが、「衰退期」にある「欧州キリスト教文明」
は、

イスラム教徒の移民、難民で、長期的に滅びる可能性があります。

純粋に、人口でイスラム教徒がキリスト教徒を上回り、

EUは、数十年後IU(イスラム連合)になってしまうかもしれま
せん。

日本は、欧州の愚かな失敗を教訓に、「移民政策」にはくれぐれも
慎重であるべきなのです。


(日本の場合、大量移民受入れで、「中華人民共和国小日本省」
になる可能性がでてくる。)

 

揺れる大欧州――未来への変革の時

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欧州解体

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