★ロシア軍機撃墜~プーチンは、「アメリカの関与」を疑う

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

トルコの戦闘機が11月24日、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜した事件。

後からいろいろ興味深い事実がでてきています。

【仰天情報】と呼べるかもしれません。


今回の話は、前号のつづきになります。

前号を読んでいないと、わけがわからなくなります。

ですから、まだの方は、まずこちらをご一読ください。

http://archives.mag2.com/0000012950/20151125185320000.html



▼トルコは、ホントにISから石油を買っているの?



前号で、プーチンが、「トルコはISから石油を買っている」と批判
したことをお伝えしました。

前号から、一部転載します。


【転載ここから▼】


<では、ISの現在の資金や武器は、どうなっているのでしょうか?

前述の本「イスラーム国」によると、資金源は以下の通り。


イラク中央銀行から、5億ドルを強奪した。

・石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている。

・支配地域の住民約1000万人から税金を徴収している。


この「石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている」。


「誰が買ってるの??????」


という疑問が出ますね。

「買い手」がいなければ、商売はなりたちません。


今回ロシア軍機を撃墜した「トルコ」がISの石油を買っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

プーチンはいいます。

朝日新聞デジタル11月25日。



<さらにプーチン氏は、ISの資金源とされる石油の密売を念頭
に「我々は(シリアの)占領されている地域から、膨大な石油と
石油製品がトルコ領に運ばれている事実を長期間つかんでいる」
と指摘。

トルコのISに対する甘い姿勢が、欧州などでのテロを許す一因
となっているとの見方を示した。>


プーチンは、「トルコが石油を買っていることでISは潤っている。

結局その金が、パリ同時多発テロに使われたのだ」といっている。


トルコが、IS産石油を買っている。

これは、そのとおりでしょう。

イスラム国の支配領域は、めまぐるしく変化しています。

が、西には、アサドがいる。

東には、アサドを支援するイラン。

南には、イラク政府。

しかし、北はトルコの国境に接しています。

つまり、ISが石油を輸出(密売)しようと思えば、トルコから出
していると考えられる。


「なぜ買うのか?」といえば、経済的利益よりも「政治的」動機
でしょう。

要するに、「IS」が「アサドと戦っている」ので支援する意味で
石油を買っている。>

【転載ここまで▲】

 

佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日

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さらに、


<「トルコがISの石油を買っている」

このことは、おそらく欧米の支配層も知っていることでしょう。

というのは、人工衛星からみれば、IS油田からタンクローリーがど
こにむかっていくのか一目瞭然だからです。

しかし、「黙認」「容認」していた。

なぜ?

これも、トルコが石油を買う理由と同じですね。

ISが「アサドと戦っている」からです。>

(前号から)


と書きました。

この、「トルコは、ISから石油を買っている」件。


「トンデモ、トンデモ、トンデモ~~~!!!」

陰謀論者め!」


そんな声が、新規読者さんから聞こえてきます。

しかし、読売新聞11月27日を読んでみてください。


<シリア北東部とイラク北部の「イスラム国」支配地域には多くの
油田があり、石油密売は「イスラム国」の主要な資金源となってい
る。

財務省の推計では、石油密売の収入は毎月約4000万ドル(約
50億円)。

イラクの旧フセイン政権が、経済制裁をかいくぐって石油を密売し、

この地域に

トルコとの国境を挟んで石油密売を行うシステムが確立した
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とされる。>


<トルコとの国境を挟んで石油密売を行うシステムが確立した>


と書くと「まわりくどい」ですが。

要は、


「シリアとイラクのIS油田から、【トルコ】に石油が売られてい
る」


ということです。

しかも、アメリカ財務省によると、トルコへの石油輸出(密輸)
で得ている収入は、

【月50億円】、

【年600億円】!!!!


このことは、「ISは、【世界でもっとも裕福なテロ組織だ】という
噂が事実であることを証明するものです。

同時に、

【トルコ】が、ISを【年600億円】儲けさせている」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ともいえます。

(@600億円は、米財務省の推計ですが、それに近い大金をISが
儲けていることは間違いないでしょう。)


2014年8月から1年3か月間もIS空爆を繰り返し、いっこうに成果
をあげられなかったアメリカと有志連合。

その最大の理由は、ISの「石油インフラ」を「放置していた」
ことなのです。

ところが、「パリ同時多発テロ」を受けて、アメリカも「重
い腰」をあげました。

そう、ついに「石油インフラ攻撃」をはじめた。




<米国防総省の発表によると、米軍は今月15日と21日、「イス
ラム国」支配地域の石油関連施設でタンクローリー116台、28
3台をそれぞれ空爆で破壊した。

米軍が昨年9月の空爆開始以来、タンクローリーを狙ったのは初め
て。

密輸業者らが巻き込まれるのを避けるため、米軍はそれまでタンク
ローリーへの攻撃を避けていた。>(同上)




これも奇妙な話ですね。

アメリカは、「密輸業者が死んだらかわいそうだから攻撃しなかっ
た」というのです。

「密輸業者」は、「ISの人」ではないのでしょうか?

あるいは、油田を直接空爆したらダメなのでしょうか?

いえいえ。

わざわざ人を殺さなくても、もっと簡単な方法があります。

そう、トルコ政府に、「ISから石油を買うのをやめさせろ!」と要
求すればいい。

トルコがISに年600億円も貢いでいる。

それで、ISはパリでテロをしたり、ロシアの旅客機を爆破したりで
きる。

トルコは、「ISのスポンサーだ!」「ISの共犯だ!」と非難されて
も仕方ないでしょう。

しかし、トルコがISの石油を買っていることを知りながら、「無視」
「黙認」していたアメリカは、どうなのでしょうか???

このことが、「ロシア機撃墜」の【さらなる暗黒部分】に私たちを
誘います。

 

世界史で学べ!地政学

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▼ロシアは、「アメリカの関与」を疑う



こちらの記事を読んでみてください。



<トルコのロシア機撃墜、事前に計画されていた疑い-ラブロフ外相

Bloomberg 11月26日(木)2時38分配信

ブルームバーグ):ロシアのラブロフ外相は25日、トルコは国
境付近でのロシア機撃墜を事前に計画していた可能性があるとの
見方を示した。

ラブロフ外相はモスクワで記者団に対し「(撃墜が)故意ではな
かったとの説明に、われわれは深刻な疑いを抱いている」と発言。

「まさに計画された挑発行為のように思われ」、トルコはシリア
反政府派のインフラを守るためシリア領空を防御しているのでは
ないかとの疑問が生じていると語った。 >


トルコは、「ロシア機だと知らなかった。知ってたら撃墜しなかっ
た」などと言い訳しています。

しかし、ロシアのラブロフ外相は、「計画的にやった!」としてい
ます。

理由は、「トルコはシリア反政府派のインフラを守るため」とあり
ますが、これはなんでしょう?

トルコとシリアの国境付近に、「反アサド派」の一団がいる。

そして、彼らは民族的に「トルコ系」なのです。



<ロイター通信が米当局者の話として伝えた内容によると、露軍機
は撃墜される前、シリアの反体制派でトルコ系のトルクメン人の部
隊を爆撃した。

トルコが反体制派のトルクメン人を支援する一方、ロシアはシリア
のアサド政権を支持しており、シリアを巡る対立が撃墜に発展した
可能性がある。>

毎日新聞 11月25日)



さらにラブロフさんはつづけます。


<24日のロシア機撃墜で、過激派組織「イスラム国」が支配地域
で行う違法な石油取引の状況に「新たな光が当たるようになった」
とも発言。

この撃墜は「ロシア軍機が石油輸送車や油田を極めて効果的に爆
撃し始めた後で起きた」と指摘した。 >

Bloomberg 11月26日)



ラブロフさんは、「ロシアがIS石油インフラを攻撃しはじめたこ
と」が

「今回の撃墜と関係あるのではないか?」といっています。


そして、衝撃的な話がつづきます。


<ラブロフ外相はまた、トルコが撃墜前に米国の許可を求めたかに
も関心があると述べた。>(同上)


ラブロフさんは、


<トルコが撃墜前に米国の許可を求めたかにも関心がある>


と語っている。

つまり、


「トルコはアメリカの許可を得て、ロシア軍機を撃墜した可能性が
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ある」


というのです。

なぜそういう話になるのか?

今度は、プーチンが語ります。



プーチン大統領、撃墜された露軍機の飛行経路を米国に事前通告


AFPBB News 11月27日(金)8時48分配信

【11月27日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)
大統領は26日、クレムリン(Kremlin、露大統領府)でフランスのフラ
ンソワ・オランド(Francois Hollande)大統領と合同記者会見を行い、
シリア・トルコ国境でトルコ軍に撃墜されたロシア軍機の飛行経路を
米国に事前通告していたと語った。>

 

地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))

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「ロシア軍機の飛行経路を米国に事前通告していた」


なぜそんなことをするのでしょうか?

シリアのISを空爆している二つの勢力がいます。

ロシアと、アメリカを中心とする有志連合です。

お互いの飛行経路がわかっていないと、事故が起こる可能性がある。

だから、ロシアはアメリカに飛行経路に関する情報を渡し、調整す
るわけです。


つまり、トルコはアメリカから「ロシア機の飛行ルート情報」を得て、

「ロシア軍機を撃墜したに違いない」といってるわけです。

以上、


・トルコはISから石油を買っている。年間600億円稼ぐISは、
その資金でテロをしている。


・トルコは、アメリカから撃墜されたロシア軍機の飛行ルー
トに関する情報を得ていた

それで、ロシアは、「アメリカの関与を疑っている」という
話でした。


(あくまでも「ロシア側がそう考えている」という話です。

ホントにそうかは、まだなんともいえません。)


日本人にとっては非常にショッキングな内容です。

しかし、これが「世界の現実」なのですね。

 

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