★オバマ、プーチンに歩み寄る~進む米ロ和解

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

毎度で申し訳ありません。

2015年3月、アメリカの政策を大きく変える大事件が起こりました。


「AIIB事件」。


親米国家群イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、イスラエル、オーストラリア、韓国などなどが、アメリカの制止を無視し、中国主導「AIIB」への参加を決めた。

このことは二つのことを示していました。


1、親米国家群は、「アメリカより中国のいうことを聞いた方が【お得だ】と判断した。

2、「アメリカに逆らっても、軟弱オバマは何もできないだろう」と判断した。

「中国は覇権国家にむけて大きく前進した」といえるでしょう。

しかし、アメリカは、だまって覇権を禅譲するほどには落ちぶれていない。

それで、「必ずリベンジに動くだろう」と予測しました。

予想される方法についても、ダイヤモンド・オンラインに詳しく書きました。

詳細はこちら。↓
http://diamond.jp/articles/-/70786

・情報戦

(例えば、これも情報戦の一環)

●China2049 

(詳細は→ https://hec.su/bWqL )

 

・情報経済戦(中国経済崩壊論の拡散)


など、いろいろあるものの、もっとも効果があるのは、「中国とロシアを分裂させ、ロシアをアメリカ陣営に引き込むこと」ダイヤモンドオンライン4月28日に、こう書きました。


<最後に、米国が中国に勝つために「ロシアと和解する可能性」について触れておこう。「そんなバカな!」「モスクワ在住筆者の妄想だ!」──。恐らくそんな反応が返ってくるだろう。しかし、歴史は、「米国は勝利するためなら敵とも組む」ことを

教えている。>

実際、何が起こったのでしょうか?

▼イラン、シリア問題で協力を深めた米ロ

「このままでは、中国に覇権を奪われる!」と焦るアメリカ。

一方、プーチンにもアメリカと和解する理由がありました。

ロシア経済は、「経済制裁」「原油価格暴落」「ルーブル暴落」でボロボロになっているからです。

今年は、マイナス4%程度になる見通し。

現在プーチンの支持率は、約90%に達しています。

しかし、このままの経済状態がつづけば、いくら忍耐強いロシア人でも、反プーチンに転じかねない。

では、どうするか?

アメリカと和解し、制裁を解除させ、最大のお得意・欧州との経済関係を復活させなければならない。


米ロの利害はここに一致し、ゆっくりと着実に関係を改善させていきました。

両国が最初に協力したのは、「イラン問題」です。

 <イラン核交渉>最終合意 ウラン濃縮制限、経済制裁を解除

毎日新聞 7月14日(火)22時1分配信
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【ウィーン和田浩明、田中龍士、坂口裕彦】イラン核問題の包括的解決を目指し、ウィーンで交渉を続けてきた6カ国(米英仏露中独)とイランは14日、「包括的共同行動計画」で最終合意した。

イランのウラン濃縮能力を大幅に制限し、厳しい監視下に置くことで核武装への道を閉ざす一方、対イラン制裁を解除する。

2002年にイランの秘密核開発計画が発覚してから13年。粘り強い国際的な外交努力によって、核拡散の可能性を減じる歴史的な合意となった。>

 この合意は、まさに「歴史的」。

そして、「国際関係」を大きく変えました。

アメリカとイランの関係はよくなり、一方で、アメリカとサウジアラビアイスラエルの関係は最悪になりました。

そして、サウジとイスラエルは、逆にロシアに歩み寄っていきます。

次に、米ロは、「シリア問題」で協力することにしました。

9月28日、プーチン国連で「イスラム国」と戦う「反テロ連合」創設をよびかけます。

そして、「クリミア併合」後はじめてオバマと会談。。

ウクライナ問題とシリア問題について、90分話し合いました。

9月30日、プーチンは、「シリアのイスラム空爆開始」を宣言。

欧米は、「ロシアは、イスラム国だけでなく、『反アサド派』も空爆している!」と大々的に非難しました。

しかし、事実として、「イスラム国」はロシアの空爆で壊滅的打撃を受けている。

そのせいで、アメリカと有志連合が2014年8月から1年間つづけてきた「イスラム空爆」がいかにイイカゲンだったか、全世界が知ることになりました。

そして、11月13日の、「パリ同時多発テロ」。

いままでロシアを非難していたアメリカも、フランスも、もう少し真剣に「イスラム国」と戦う必要がでてきた。

「クリミア併合」「ウクライナ問題」で、「ヒトラーの再来」「世界の孤児」と呼ばれたプーチン

1年8か月後、欧米は、「クリミア」「ウクライナ」のことをきれいに忘れた。

そして、プーチンは、いつの間にか、「イスラム国と戦う同志」になっていたのです。

 ▼オバマプーチンに歩み寄る

 最近まで、トルコのアンタルヤでG20が開かれていました。

オバマプーチンは、ここでまたシリア情勢を話し合いました。

<米露首脳会談>「シリア和平必要」…露IS空爆に米が理解

毎日新聞 11月16日(月)12時28分配信

【アンタルヤ(トルコ南西部)秋山信一、モスクワ真野森作】

米国のオバマ大統領とロシアのプーチン大統領が15日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催中のトルコ・アンタルヤで会談し、シリア内戦の終結に向け、国連の仲介によるアサド政権と反体制派の交渉や停戦が必要だとの認識で一致した。

オバマ氏はロシア軍が9月末にシリアで始めた過激派組織「イスラム国」(IS)への空爆にも一定の理解を示した。>

 オバマ、ロシアの空爆に一定の理解を示したそうです。

もちろん、相違点もあります。

アメリカは、反米大統領アサドを排除したい。

ロシアは、親ロ大統領アサドを守りたい。

それでも、米ロは、「シリア内戦を終結させること」で一致しています。

<パリの同時多発テロや欧州への難民流出問題を受け、国際社会ではテロ・難民問題の解決にはシリア和平が必要だとの認識が広まっている。米露やシリア周辺国は14日の多国間協議で、年内の和平交渉開始、18カ月以内の憲法制定、大統領・議会選挙実施などの目標を提示し、外交努力を進める方針で一致した。米政府当局者は15日「パリで起きた恐るべきテロ攻撃によって、シリア内戦の終結はなおさら緊急課題となった」と述べた。>

(同上)

「アサド派」と「反アサド派」の和平交渉。

和平が実現したら、大統領選挙、議会選挙。

そして、「シリア国民に、アサドを選ぶか、他の人を選ぶか決めさせよう」ということですね。

きわめて「民主的」で真っ当です。

 ▼アメリカは、対中国に集中できる体制をつくる

 2014年、15年にかけて、アメリカから世界を見ると、三つの大問題がありました。

一つは、ウクライナ問題です。

これは今年2月に停戦合意がなされ、現在も維持されている。

欧米ロシアは、「解決済み」と見ています。

(とはいえ、「ロシア制裁解除」までには、まだ時間がかかるでしょう。ロシアがシリア問題解決で活躍し、「制裁解除」を国際的に認めさせる必要があります。)

 二つ目は「イスラム国」問題です。

今、欧米ロの協力体制ができつつある。

「パリ同時多発テロ」は、本当に衝撃でしたが、「イスラム国」問題も、実は解決にむかっているのです。

(もちろん、欧州にひそんだ「イスラム国」の問題は、長期間つづくことでしょう。)

そして、アメリカにとって三つ目の大問題だけが残りました。

それが、中国との覇権争奪戦です。

アメリカは、今「総力をあげて中国を打倒する」体制を整えつつあります。

なぜそうなったのか?

詳細を知りたい方は、こちらを是非ご一読ください。

●China2049 

(詳細は→ https://hec.su/bWqL )