★ウクライナで内戦が始まる〜欧米vsロシア“代理戦争”の行方

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!


北野です。



前々号で、ウクライナ東部ドネツク州、ハリコフ州が「独立宣言した」
ことをお伝えしました。




<<ウクライナ>東部2州が共和国宣言 露編入の動き加速

毎日新聞 4月8日(火)11時25分配信


 【モスクワ田中洋之】ウクライナのメディアによると、東部ハリコフ州
の州都ハリコフで7日夜、州政府庁舎を占拠した親ロシア派住民が
州議会に代わる独自の会議を開き、「ハリコフ人民共和国」の創設を
宣言した。


隣接するドネツク州でも同日、親ロシア派勢力が「ドネツク人民共和
国」の創設を宣言しており、ロシア系住民の多い東部でウクライナ
からの分離とロシア編入につながる動きが加速している。>




今日は、「プーチンは、クリミアばかりでなく、ウクライナ東部諸州も
併合するつもりなのか?否か?」を考えてみましょう。


今回の話、基本が理解できないと難しいかもしれません。


まだの方は、まずこちらからお読みください。



ウクライナ革命1〜これまでの経緯↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20140228000000001.html

プーチンは、なぜウクライナに【軍事介入】するの?↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20140302181000001.html

プーチン本人、ウクライナ軍事介入を語る
http://archive.mag2.com/0000012950/20140306000000001.html

●クリミアはロシアに編入される。そして、ロシア─ウクライナ戦争へ?
http://archive.mag2.com/0000012950/20140310000000000.html

●クリミア住民投票、96.77%がロシア編入を支持!〜各勢力の思惑
とこれから
http://archive.mag2.com/0000012950/20140318000000004.html

プーチンの論理1(クリミア編入は善である!!??)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20140324000000001.html

プーチンの論理2(プーチンがぶちキレタ瞬間)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20140326000000000.html

●ロシアのクリミア併合。一番【得】したのは???
http://archive.mag2.com/0000012950/20140401000000001.html

ウクライナ東部二州が独立宣言!そしてロシアへの編入をめざす
http://archive.mag2.com/0000012950/20140409000000001.html




プーチンとラブロフ外相の立場



ロシアは、クリミアばかりでなく、ウクライナ東部諸州も併合するの
か?


この質問に、実はプーチン自身が答えています。


3月18日の演説から。




プーチン
「ロシアを利用してあなたたちを脅す人たちを信じないで欲しい。

クリミアのあと別の地域だと叫んでいるような人たちのことだ。 」



要するにプーチンは、「ロシアが併合するのは、クリミアだけだよ」
といってるわけです。


とはいえ、「そんな言葉信用できるか!」と思いますね。


しかし、つい先日、ラブロフ外相がこんなことをいいました。




<<ロシア>外相 ウクライナは「今の国境線で統一維持を」

毎日新聞 4月11日(金)23時35分配信


 【モスクワ田中洋之】ロシアのラブロフ外相は11日、ウクライナ
からの分離の動きが出ているドネツク州など東部・南部をロシア
が編入するつもりはないと述べた。

国営テレビとのインタビュー番組で語った。>





この言葉は重大です。


なぜかというと、ドネツクやハリコフのロシア人たちは、なぜ

「独立宣言」したのか?


そう、クリミアのやり方を真似たのです。


この後、「住民投票」を実施し、「ロシアへの編入」をめざす。


ところが、住民投票する前から、ロシア外相が「編入するつもり
はない!」と断言してしまった。


このことは、ウクライナ東部・南部のロシア人たちを意気消沈さ
せたことでしょう。



外相はいいます。




< ロシアがウクライナ南部クリミアに続いてロシア系住民の多い
東部・南部の州を編入するのではとの懸念が国際社会で高まる
なか、外相



「(編入は)ロシアの国益に反する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

我々はウクライナが今の国境線で統一を維持することを望んでい
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
る」
~~~

と述べた。>(同上)





この言葉は、ウクライナ東部のロシア人たちに、決定的打撃をあ
たえたことでしょう。



1、編入は「ロシアの国益に反する」


2、ウクライナが今の国境線を維持することを望んでいる



別の言い方をすれば、「ドネツクやハリコフがロシアへの編入を
望むのは、ロシアの国益に反するし、迷惑だ」と。




▼なぜ東部二州編入は、ロシアの国益に反するのか?



これは、前号で触れましたね。


大切なので、もう一度繰り返します。



1、ロシア人の数(クリミア多く、ドネツク、ハリコフは少ない)


まずクリミア。


ここは、住民の約6割がロシア人である。


ですから、住民投票すれば、「ロシアへの編入をのぞむ!」と
いう結果になるのは明らかだった。


しかし、ドネツク州とハリコフ州は違います。


ドネツク州は、ウクライナ人57%、ロシア人38%。


ハリコフ州は、ウクライナ人71%、ロシア人26%。


住民投票が公正に行われれば、「ウクライナ残留派」が勝利するこ
とでしょう。




2、歴史的経緯


もうひとつの違い。


それは、「旧ロシア領か?否か?」という部分。


クリミアは、「1954年までロシアの一部だったが、バカなフルシチ
ョフの鶴の一声でウクライナに移管された」。


しかし、ドネツク、ハリコフは、少なくともソ連誕生後は、ウクライ
ナでした。


(ハリコフは、ソ連ウクライナ共和国の首都だったこともある。)


これを、「ロシア帝国時代」まで遡って、「ロシア固有の領土だ!」
とするのは、非常に無理がある。




3、軍事拠点の有無


クリミアには、超重要軍事拠点「黒海艦隊基地」がある。


ハリコフ、ドネツクにはない。




4、経済負担の増大


前号で書き忘れましたが、これも超重要。

 
ハリコフ州の人口は約280万人、ドネツク州は460万人。

 
この2州を併合すると、ロシアの人口は一気に740万人増える。

 
同時に、年金受給者が150万人ほど増える。(財政負担増)
 

また、併合した地域の住民がそのことを後悔しないために、莫大な
投資が必要になる。

 
クリミア併合による資金逃避と経済制裁に苦しむロシアは、この財
政負担に耐えられません。



結局、ロシアには「ウクライナ東部諸州を併合できる根拠が薄い」
し、「メリットもない」。


それでも、併合を強行すればどうなるでしょうか?



1、欧米は、さらに経済制裁を強化せざるを得なくなる


2、クリミア併合時は、中立だった国々の多くが、「反ロシア」に流れ


3、つまりロシアは国際社会で、完全に孤立する


4、併合後もウクライナ人が多いので、抵抗運動がつづき、テロな
どが激増する可能性が高まる



などなど、プラスよりマイナスの方が多い。


だから、ラブロフさんは、「編入は国益に反する」と断言するのでし
ょう。



▼しかし、内戦がはじまる



ロシアには、「ウクライナ東部を併合する意志がない」。


それなら、ウクライナには、「平和」が訪れるのでしょうか?


それが、全然そうじゃないのですね。


独立宣言した二州と、同じ東部のルガンスク州などの諸都市で、ロ
シア系住民が州政府関連施設、市役所、警察署、検察庁など要所
を占拠し、たてこもる事件が頻発しています。


親欧米のウクライナ新政権は、これを「テロ行為」と断定。


武力による「掃討作戦を開始する」と宣言した。
 

4月13日、ドネツクスラビャンスク市で、実際に「テロ掃討作戦」
がはじまり、犠牲者もではじめました。


ロシアに亡命中のヤヌコビッチ前大統領は、「内戦がはじまった
!」と宣言した。



このまま犠牲者が増えていけば、プーチンは「ロシア系住民の安
全確保」を理由に、「平和維持軍」という名目で、軍事介入に踏み
切る可能性が出てきます。
 

ちなみに、ロシアのTVニュース(たとえば4月13日(日)民放最大
手NTV19時のニュースなど)は、


「CIA長官が、ウクライナ新政府に武力行使を命令した!」


と断言していました。(真偽は不明。)



そして、ロシアのチュルキン国連大使は4月14日、国連安保理で、



「(アメリカの)バイデン副大統領は、いつものようにウクライナ
大統領に電話し、『武力行使をやめろ!』いうべきだ」



と叫んでいました。


欧米は、「ロシアがウクライナ東部の暴動を扇動している」


とし、



ロシアは、「アメリカが新政権に、ロシア系住民虐殺指令を出した」


とみている。



ウクライナで内戦がはじまります。(はじまりました。)
 

そしてそれは、間違いなく欧米とロシアの「代理戦争」なのです。



(●ウクライナ問題を最初から現在まで全部知りたい方。
ダイヤモンドオンラインに詳しく書いておきました。

この機会に是非ご一読ください。

http://diamond.jp/articles/-/51671   )




嗚呼、世界は戦国時代也。


こんな激動の時代に、日本はどうやって自立を成し遂げることが
できるのでしょうか?


知りたい方は、こちらをご一読ください。


全部わかります。






【北野の新刊でました!】

(☆アマゾン政治部門 1位!外交・国際関係部門 1位!)



●日本自立のためのプーチン最強講義
〜 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら


●【夕刊フジ】超カリスマ記者久保木さんの書評はこちら。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131126/dms1311261209012-n1.htm

●【日経ビジネス】の書評はこちら。

http://rpejournal.weblike.jp/nikkei_business_20140203.pdf