戦争の原因は「平和」だ

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├ 2013年10月04日 戦争の原因は「平和」だ
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おくやまです。

さて、Twitterのほうにも少し書きましたが、
戦争と平和の問題について少し。

最近思うところがあり、以前私が訳した
コリン・グレイの『戦略の格言』を読み返しているのですが、
これになかなか良いことが書いてあります。
それは格言5の

「平和と秩序は自律的なものではなく、
誰かによって維持・管理されなければならない」

という主張。

グレイはこれを再びマイケル・ハワードの
これまた有名なエッセイの中に書いてあることをインスピレーションにしながら、
この格言の意味を説明しております(pp.52-59)。

もちろんここでのグレイの意見は、どちらかといえば
「世界秩序は誰かによって守られるべきである」ということであり、
暗にそれを守るのがアメリカ(とイギリス)の役目である
という意味を含んでおります。

しかし私は、さらにそれに対して付け加えたいことがいくつかあります。
それは「平和」という一つの「秩序」(order)についてです。

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すでにTwitterのほうにも書いた通りですが、
一般的なリアリストや戦略研究の専門家たちにとって、
「平和」というのは「戦争の一時休止の状態」
という認識が(極端かもしれませんが)けっこう一般的です。

ミアシャイマーの「攻撃的リアリズム」などは、まさにこの典型ですね。

ところがこれ以外にも、彼らの中で一般的に多い解釈は、
「平和=秩序」という解釈。

どちらかというとグレイはこちらの解釈を採用しているようで、
ある特定の秩序(たとえば現在のアメリカ主導の国際社会の枠組み)
を守るために、アメリカは戦争をすることがある、
ということを述べております。

しかしこの「秩序」の考え方からわかるように、
このような秩序というのは実は
「誰かにとって有利な価値観によって構成されている」秩序でありまして、
現在の場合はそれが「アメリカに有利な秩序」ということになります。

これを大胆にいいかえれば、「秩序」、そしてそこから生まれる「平和」というのは、
もともとその価値からして完全に中立なわけがないのです。

そして、このような国際的な「秩序」や「平和」というものが
完全に中立なものではないということがわかると、
我々はここで恐ろしい事実に気づくことになります。

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それは、戦争の原因は
(価値的に中立ではない)「平和」にあるという冷酷な事実です。

これをさらに言えば、「平和」こそが戦争の原因になるということです。

冷静に考えてみましょう。
戦争が起こる前というのは、そこには
常にある一定の秩序が保たれている状態の「平和」が
常にあったわけであり、その秩序による平和に我慢ならなくなった人々が、
少なくとも自分たちにとって有利になる
「新しい秩序」を求めて戦争をはじめてきた、
というのがほとんどの人類の戦争の歴史に残っているわけです。

われわれは日本の教育において、
「平和は素晴らしいもんだ」と長年教わってきましたし、
いまだにメディアを通じてそういうメッセージを受け取っております。

これはこれでいいものかもしれませんが、
実はその「平和」や「秩序」って、
本当に全人類にとって望ましいものなんでしょうか?

「平和」には価値判断が含まれており、
しかもこの特定の「平和」に納得しない人間はかならず一定数存在する、
ということについて、われわれはもっと敏感になるべきなのかもしれません。

( おくやま )

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最近、日本のメディアで「地政学」という言葉をよく目にします。

この言葉の本当の意味は何なのでしょうか? 
そして、そもそも「地政学」とはどういうものなのでしょうか?

地政学」は一過性のブームなどには全く関係なく、
国家が国際社会の中で生き抜くためのツールとして、
日本以外の国々では
意識的/無意識的に活用され続けている学問です。

そして、昨今の日本周辺の混沌とした
国際関係の状況を冷静に分析する上で、
非常に役立つものなのです。

地政学とは、グローバル化した時代に、
国家が生き残っていくためのツールであり、
同時に国家の成功戦略のヒントとして
役立つものなのです。

しかし、日本では「地政学」は勉強できません。
地政学」を専攻できる大学はありません。

そこで、英国にて「地政学」を学んだ奥山真司が
"禁断の学問"地政学を復活させるつもりで、語り尽くします。

▼「奥山真司の地政学講座」
http://www.realist.jp/geopolitics.html

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( 編集後記 )

管理人です。

お気付きの方もいらっしゃると思いますが、
今回のおくやまさんのテキストですが、
最新のおくやまさんのブログエントリーから掲載致しました。

今回のお話は「アメ通」読者の皆様にも、
ぜひお読み頂きたく、
管理人からおくやまさんにお願いして
こちら「アメ通」にてもご紹介させて頂きました。

前回のおくやまさんの「アメ通」にて、
リアリストの思考体系においては、
「価値判断」を極力排除して、冷酷に物事を判断する。
という話がありました。

そして、今回のおくやまさんのテキストでは、

>>戦争の原因は(価値的に中立ではない)
>>「平和」にあるという冷酷な事実です。

というフレーズが飛び出して、
最初におくやまさんのブログを拝見した時、
管理人の拙い思考回路では、
「戦争の原因=平和」という時点で、相応の衝撃度でしたが、
それに加えて、「価値的に中立ではない平和」
というところで考えこんでしまいました。

管理人などは、「平和」という言葉を聞くと、
それは、ある種、人類共通と言いますか、
「普遍的価値」なのでは?と、素朴に想ってしまいますが、
実際のところは、「平和」にも何らかの思惑が絡んでいる・・・
「アメ通」読者の皆様ならば大丈夫ですが、
日本人は、基本的に誠実と言いますか、
物事を正直に信じてしまうところがあるように思います。

リアリストたれ!を標榜する「アメ通」管理人としては、
この「価値判断」をいかに排除して、
冷静・冷酷に物事を判断してゆくのか・・・
という大きな「問い」に直面してしまいました。

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での、動画の編集などしつつ、
日々あれこれ考えております。

読者の皆様のお知恵も是非お貸し下さい。

( 管理人 )

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