さぬきうどんのコシは豪州のおかげ?!

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├ 2013年07月18日 さぬきうどんのコシは豪州のおかげ?!
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共同管理人の和田です。

先日から「TPP」のことを取り上げておりますが、
この件になると質問も増えるので続いて書きます。

「TPP」で問題になっている農業と貿易についてです。

「TPP」に参加するか否かの問題以前の話として、
「日本の農業はもう既に終わっている」という主旨のことを書いてきました。
というか、農政を抜本的に変革しないと、
日本の農業は早晩、立ち行かなくなることは明白です。

食糧自給率が低いと食料安全保障に響くという話があります。

「輸出制限などの嫌がらせを食らう」
「食糧の輸入で価格吊り上げを食らう」

というのが、典型的な議論ですが、
自由主義国同士で経済圏をつくったのであれば、
そういう「嫌がらせ」はそうそう出来ないはずです。

読者のみなさんもまだ覚えていると思いますが、
以前、中国からのレアアースの輸入が止まった、
というケースが有りました。

この場合は、

・中国が一党独裁主義国家であること。
・鉱物資源ということで、産出量に限度がある上に、
 そのほとんどは、中国産が占めていたこと。

という事情があり、日本は一時、大ピンチに陥りました。

しかし、そこはその逆境を逆手に取って、
使用済みレアアースの再利用や代用品の調達など、
まさに「日本らしさ」を発揮して、乗り切りました。

この中国産レアアースの件では、
中国は日本に対して「脅し」を掛けてきたのですが、
上述のように、もはやその脅しは効きませんし、
供給先を失った中国側の生産者のほうが、
逆に困ってしまったわけです。

生産者達は困ってしまいましたが、
あのような体制下ですから、当然、政府に逆うことなどできず、
事業者は倒産し、しかも、案の定というべきか、
抽出過程で垂れ流された工場排水によって汚染が進み、
今や、トウモロコシすらも作れない、
いわば「死んだ村」同然になってしまったようです。

まったく、中国の一般民衆はお気の毒と言いますか、
思わず同情の念を禁じえません・・・。

  • :-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-

先に「嫌がらせ」の例を挙げてしまいましたが(笑)、
自由主義国同士の貿易の場合、
「経営者」というものがいるので、そう簡単に国が輸出を差し止める、
などいうことは、通常、できません。

例えば、もし、オーストラリアが日本へのコメの輸出を禁じる
という措置を取ったならば、我々としては、タイからコメを買うか、
小麦をカナダから買って代替することができる。
たとえ恫喝的な対応をされたとしても、
決して動じることなく、代替品や代替国で堪える、
ということも自由貿易では必要になってきます。

オーストラリアと言えば、これも、かつての事例ですが、
BSE問題の時は米国からの牛肉を輸入を止め、
オーストラリア産を増やしました。

米国牛肉にこだわった吉野家は苦しみましたが、
オーストラリア産牛肉に切り替えたり、
豚丼までだした松屋は見事でした。

松屋には、その当時、
カレーと牛丼を合わせた「カレーぎゅう」という商品がありました。
そこに、すぐ豚を追加し、「カレー・ブー」という商品をつくったのです。
「なんで、豚の場合は鳴き声なんだ?」と思いましたが(笑)、
状況に対して臨機応変に応ずる
優れた企業なんだなと、思ったものです。

同時期に、ライバルである吉野家は、
味を求めて、「米国産牛肉でないと牛丼でない」としましたが、
それも自由貿易体制下における、各自の自由な判断と決断です。

そもそも、BSE問題などの突発的な出来事がない状況で、
もし、政府が勝手に輸出を止めるような政策を取れば、
その国の農家が、必ずそのような政策に反対する圧力をかけるはずです。
なぜなら、その間に他国の競合相手が現れ、
それまで確保していた市場を、その新参者に奪われてしまうからです。

自由貿易体制下では、自らに必要な「資源」の
供給源をより多く持ち、且つ、分散化して、
それだけの選択肢があれば、必ずしも、
自給率」に強く拘る必要はない、という発想も成り立つわけです。

現実問題として、
自由主義国家からの食糧輸出ストップ
という事態が起こるとはあまり考えられません。

売主の立場からすると、それがたとえ短期であったとしても
自分の顧客である買主を、
他の売主に奪われてしまうことはとても恐ろしいことです。

そういう心理的な面を考えてみても、
多数の自由貿易国と取引する。
やはり、これが、一番安定するやり方なのではないかと思います。

  • :-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-

今の話は、商売上の心理だけでなく、理論もあります。

小室直樹博士なども、自著の中で取り上げていますが、
経済学者のデイビッド・リカードの「比較生産費の理論」
というものがあります。

その理論を思い切り端的に言ってみますと、

自国に際立った得意分野があるならば、
それに特化して生産を行い、積極的に輸出せよ。
苦手な分野に関しては、あえて自ら生産はせずに、
輸入すればよい。

というものです。詳しく書くと、

(1)貿易が行われる
(2)貿易があれば、自給自足の場合に比べて、両国ともによくなる。
   両国共に利益を得る。
(3)ベストであるのは、両国共に比較優位な財の生産に特化することである。
   そして、比較劣位な財は必要なだけ輸入する。
(4)二国、多数商品の場合にも成立する。
(5)多数国の場合は、日本と外国の2つの国として考える。
   これでも成立する。
(6)三角貿易の場合、多角貿易の場合でも成立する。

ということで、要するに、

""すでに敗北してる小麦の生産はオーストラリアにまかせて、
  日本は自動車の生産に特化した方がお互いに豊かになる""

という話なのです。

私の友人に、高松のうどん屋の倅がいます。

学生時代から、その彼の家に泊まりに行った時は
毎回死ぬほど、うどんをごちそうになるのですが、
「さぬきうどんは、もう既に国産の小麦ではつくれない」と聞き、
かなりのショックを受けました。

日本の食文化であるコシのあるうどんをつくるには、
オーストラリア産の小麦でなければならないのです。

  • :-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-

日本の農政のおかしな点については、
色々とあってキリがないのですが、
例えば、農水省の編み出した、
「カロリーベース」の食糧自給率などは噴飯物である、
とすら思います。

日本の農業は、「売上」ベースで集計すると、
実は、なんと、世界5位なのです。

役所の側からすれば、今後もずっと
助成金漬けにしておきたいがために、
カロリーベースの計算方式を採用して、
統計データの数値を意図的に操作しているわけです。

餌が輸入飼料であれば和牛であっても国内生産にならないとか、
コメだけは守りたいとしつつも、
助成金漬けの減反政策を続けるとか、
農政の欺瞞が、あちこちから吹き出ています。

ポイントとしては、

・日本の農業は潜在的競争力はある。
・しかし、農政によって削がれている。
・20年後の跡継ぎがいない状態で放置されている。

ということなのですが、
これらの内容の詳細は、

▼日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率
 (浅川 芳裕)
 http://goo.gl/JSP7A

という本がありますので、
ご興味あるかたは、ぜひお読みになってみて下さい。

私としては、うどんの件もあって、
小麦はもう無理かな・・・とは思いますが、
自らの食料生産をみすみす他国に明け渡そう
などとはゆめゆめ考えていません。

日本の農家は、今、改革すれば
逆に他国に対して撃って出る力を持てる、
そんなポテンシャルを秘めている、と本気で思っている次第です。

現在、安倍首相もこの「農政」の問題にに取り組んでいますが、
彼は、日本国内、"内部・身内"からの改革反対の声が根強いので、
この「TPP」という、いわゆる”ガイアツ”をしたたかに利用して、
この「農政」の問題を切り拓き、解決しようとしているのでは?
などとも思えるのですが、読者の皆さんはどうお感じでしょうか?

( 共同管理人 和田 )

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GHQ,マッカーサーが日本に上陸したとき、あまりに何もない
貧しい国であることに驚きました。

なぜ、日本だけが、イギリスもドイツもできなかった機動部隊をつくり
米国と太平洋上で戦争ができたのか?

それは日本人の精神や積み上がった学問だと悟ったマッカーサー
日本にある有益な図書7,000冊以上を焚書します。
指定図書の研究、回収は、静かに、極秘に行われました。

そこには、日本人の精神をささえてきた歴史の本の数々から、
アメリカ研究や資源研究の本、そして、
戦略にかかわる本、地政学の書籍もありました。

戦後日本では地政学は勉強できません。
大学で専攻できる学部、学科はありません。

今回、英国で学んできた地政学を奥山真司先生が
禁断の学問・地政学を復活させるつもりで、語り尽くします。
ついにやります。

「奥山真司の地政学講座」
詳しくはこちらから
http://www.realist.jp/geopolitics.html

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米国発の中国分析について知りたくないですか?

世界覇権国アメリカにはたくさんの中国レポートがあり、
そのため、またさまざまな立場の中国対策があります。

日本国内にある中国情報と全く違う視点であるため
非常に視野が広がります。

パンダハガー(親中、媚中)とドラゴンスレイヤー(反中)
という2つの立場から中国問題を切り込んでいます。

・資源含めた経済面からと中国包囲網という戦略からの視点も加わります。

詳しくは以下のURLをクリックして下さい。
http://www.realist.jp/china.html

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■編集後記

管理人です。

今回、本文中でご紹介した

▼日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率
 (浅川 芳裕)
 http://goo.gl/JSP7A

ですが、この本は管理人も読みました。

今回、和田さんが仰られているように、
管理人も、役人の「プロパガンダ」(笑)にまんまとやられてしまっていたくちで、
この本を読み終わった後は、軽く何枚か眼から鱗が落ちました。(笑)

新書として、とても簡潔にまとまっていて、文体も読みやすいので、
「アメ通」読者の皆さんもぜひ、お読みになって頂ければと思います。
一般的に流布されている情報とはだいぶ視点が違いますので、
知的好奇心の良い刺激になることは間違いないと思います。

「TPP」の件は、やはり、皆さまそれぞれに想うところが多々あるようで、
本当にたくさんの反響を頂いております。
「アメ通」では、今後も、「戦略の階層」の上位概念の視点から、
読者の皆さまと共に、この「TPP」問題を考えてゆきたいと思っています。

( 管理人 )

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