中国共産党の権威回復のために日中戦争が必要になっている。

中国は日本にとっていかに危険な国家になりつつあるか、についてはこのコラムでも何度も警告した。

 まず問題なのは江沢民という元中国国家主席が在任中に始めた徹底的な反日教育反日キャンペーンである。天安門事件民主化が進めば自分たちの権力が危うくなると見た江をはじめとする中国共産党保守派は、教育とキャンペーンで徹底的に日本を「悪玉化」することで、いわば外に敵を作って共産党の批判や不満をかわそうとした。

 残念ながら日本は中国に対して莫大なODA援助をしながら、河野洋平などの親中反日派のマスコミ工作などもあって、この傾向に歯止めをかけることができず、結局中国の若者のほとんどがすべて反日派になるという、とんでもない結果を招いてしまった。

 これは実は中国にとってもとんでもないことで、中国指導部が少しでも日本と理性的な交渉を持とうとすると、逆に自国の若者に突き上げを食うという恐るべき構造ができてしまった。中国は共産主義国家でありながら、貧富の差は資本主義国よりもはるかに激しく、それに対する批判の自由は一切無い。これに対する庶民のフラストレーションは爆発寸前である。すでに小爆発ならあちこちでデモという形で起きている。いま中国共産党首脳部がいちばん恐れているのは、これらが1つにまとまって共産党政権打倒の方向へ向かうことだ。

 そしてそれを逸らすいちばんいい方法は、悪玉化に成功した日本と戦争することである。マスコミの中には、日本はアメリカ海軍のバックアップも受けられるし、旧式装備の中国海軍に負けるはずがない、だからそのことは抑止力となって(戦えば負けるから)戦争は起こらないという楽観的な見解もある。それは甘い見方だと私は思う。中国は負けたっていいのだ。負ければ戦死者も出るだろう。そうしたらその犠牲者を国家英雄に祀りあげて、「日本軍国主義あるいはアメリカ帝国主義への報復」をスローガンに国家をまとめていけばいいのだ。そして共産党の指導に文句を言う人間は「国賊」として葬り去ればいい 。こうすれば共産党の支配はとりあえず安定する。

 だから今中国はなんとか日本を挑発して、先に手を出させようとしている。日本が挑発に乗って手を出せば中国はすかさず「見ろ、やはり日本は軍国主義だ。それを打倒したのは中国共産党だ、だから中国共産党は正しいのだ」と大喜びするだろう。苦しいだろうが絶対挑発には乗ってはいけない。

 それにしても橋下徹大阪市長、人間として信念を持つのは当然だが、政治家ならそれを他国に利用されないよう注意を払わねばいけない。その意味で今回の発言は時期的に見てオウンゴールだったと言わざるを得ない。