安倍叩き」に見る中国の外交的敗北感(3/4)

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■ 「安倍叩き」に見る中国の外交的敗北感(3/4)
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そして日本によるTPP交渉参加の決断は、
まさに中国にとってのこの歴史的大敗北を決定付けた
「致命的な一撃」であるに違いない。
逆に言えば、安倍政権にとって、TPP交渉参加への決断はまた、
経済的意味においての「対中国包囲網」構築に向けて
踏み出した大きな一歩となるのであろう。
「敵方」の快進撃と自らの敗北を指をくわえて見ているしかないという、
中国自身の悔しさとやり場のない怒りは相当なものだ。

そして、自らの悔しさをごまかして中国の外交的無能と失敗を
国民の目から覆い隠すためには、当の中国政府はもはや、
わざと「安倍が米国に冷遇された」と嘲笑したり
「安倍訪米が失敗に終わった」と貶めたりするしかないのである。

つまり、「安倍の訪米は失敗」と吹聴する中国メディアの
異様な論調の背後にあるのはむしろ、
日本にとっての安倍外交の大いなる成功であり、
安倍外交の快進撃に対して中国が対抗できなくなっているという、
中国にとって大変不本意な新しい事態の発生である。

尖閣問題への影響

安倍首相の対米外交の成功は実はTPPの一件だけでなく、
いわゆる「尖閣問題」で中国に対抗するための日米同盟の強化にも繋がっている。
その成果は、今年に入ってから、米国政府はことあるごとに
尖閣防備への日米安保条約の適用」を強調して
中国を強く牽制していることにも現れている。

アメリカ政府によるこのような明確な態度表明の極めつけはすなわち、
米国のヘーゲル国防長官がワシントン時間4月29日に
日本の小野寺防衛省と会談した際、尖閣問題について
米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約の「適用範囲にある」
と明言した上で、「日本の行政的なコントロールを軽視するような
目的で取られる行動に反対の立場を取る」と、米国国防長官として初めて、
中国の挑発的行為に対する反対の姿勢を鮮明にしたことである。

米国政府によるこのような明確な態度表明により、
軍事などの物理的強制手段をもって尖閣諸島の日本の実効支配
覆そうとする中国の試みはほぼ完全に封じ込められたと言ってよい。
少なくとも現時点では、習近平政権は尖閣の強奪をもはや諦めるしかない。
それはまた、鮮やかな安倍外交によってもたらされた
中国の大いなる挫折なのである。

だからこそ、5月に入ってから中国は国内の宣伝機関を総動員して
凄まじい「安倍批判キャンペーン」を展開してきたわけである。
2月の安倍訪米に対する中国側の批判論調と同様、
このような批判キャンペーンの展開はまた、中国自身の悔しさの発露と、
自らの失敗を国民の目から覆い隠すための宣伝工作であるに過ぎない。

・・・次回につづく

( 石 平 )